関塚ジャパンの中心だ-。11月のアジア大会(中国・広州)に臨むサッカーU-21(21歳以下)日本代表のトレーニングキャンプ最終日は20日、大阪府内でJ1のG大阪と練習試合を行い、1-1(前半0-1)で引き分けた。ワールドカップ(W杯)南アフリカ大会のサポートメンバーだった長崎・国見高出身のMF山村和也(流経大3年、20)がFW工藤壮人(J2柏、20)の同点ゴールをアシストするなど攻守にさえ渡った。
■攻守で関塚日本の中心
左腕に巻く黄色のキャプテンマークの重責を果たした。U-21代表の初ゲームでボランチの山村がフル出場。ピッチで抜群のリーダーシップを発揮し、MF遠藤は欠場したが、主力で固めたリーグ3位のG大阪を相手にドローに持ち込んだ。
1点を追う後半22分、ゴール前に走り込んだ工藤に相手DF陣の間を狙った絶妙なスルーパスを送って同点弾をアシスト。空中戦でも185センチの高さで主導権を握り、MF橋本らの飛び出しを鋭いチェックで防いだ。前線の選手にも積極的に声をかけるなどキャプテンシーも見せた山村を関塚監督は「しなやかだし、タフで最後まで戦ってくれた」とほめた。
1月のアジア杯予選のイエメン戦で永井とともにA代表デビューし、南アW杯ではサポートメンバーとして同行した。流経大ではセンターバック。フィジカル面の強さだけでなく足元の器用さを持ち、3年ながらすでに浦和や鹿島、横浜Mに獲得の打診を受けている。
11月8日の初戦は開催国の中国が相手。先日同国であったU-19アジア選手権では試合前に観客が乱入し日の丸が奪われる“事件”がぼっ発。山村は「落ち着いて試合をすることが大事」と、ピッチで選手に冷静さを呼び掛けてフェアプレーを貫くつもりだ。今回のチームは、出場を目指す2012年のロンドン五輪の中心となりそうなメンバーで構成。スピードスター永井とともに“九州男児”がロンドン世代を引っ張っていく。
=2010/10/21付 西日本スポーツ=