【社説】26歳の息子を4級国会職員にした議員

 民主党の盧英敏(ノ・ヨンミン)議員の息子A氏(26)が、今年6月に洪在馨(ホン・ジェヒョン)国会副議長事務所の企画秘書官(4級に相当)として採用され、最近まで勤務していたことが明らかになった。通常は国会職員5級試験に合格して採用されたとしても、4級に昇進するには8年以上かかるといわれており、また行政考試(国家公務員第1種試験に相当)合格者であっても、10年以上かかるといわれている。つまり通常なら、公職の経験がない20代の若者が、一気に4級公務員として採用されることは絶対にあり得ないということだ。

 忠清北道清州郡興徳乙選出の盧議員と、同じく清州郡上党選出の洪副議長は選挙区が近く、盧議員は洪氏が今年5月に党内で国会副議長に立候補した際、積極的に後押しした。ちなみに国会副議長は現在、民主党から出すことになっている。盧議員が洪副議長に息子の就職を頼んだのは、洪氏が国会副議長に選出された直後だったという。

 民主党は今年9月、柳明桓(ユ・ミョンファン)前外交通商部長官の娘が5級職員として採用された事実が明らかになると、「李明博(イ・ミョンバク)政権が主張する公正な社会とは、長官の娘をコネ採用することか」などと激しく非難していた。今年8月まで民主党報道官を務めていた盧議員も、それまで李明博政権における不公正や脱法、特恵などの問題を非常に厳しく非難していた。

 民主党がこの日行った弁解の趣旨は、「(誰かの)推薦を受けて補佐官や秘書官を採用するのは、国会の慣例だ」というものだった。国会議員は4級2人、5級2人、6・7・9級各1人の計7人を補佐官や秘書官として採用することができる。専門性をチェックして補佐官グループを構成する議員もいるが、一部では後援会長の息子や親せきを採用するケースもある。この種の特恵・コネ採用が何ら問題視されることなく、慣例として行われてきたのが国会だ。このような恥ずべき前例が慣例として認識されていたため、与野党の国会議員の多くが、「盧議員の息子の場合はやや行きすぎかもしれないが、決して違法とは言えないはずだ」といった反応を示したのも、ある意味当然のことだろう。だとすれば、国会議員は行政府で同じようなことが行われたとしても、それを激しく非難するとか、あるいは自分だけは正しいといった態度は決して取るべきではない。

 盧議員は、党内で自分が後押しした議員が副議長に選出されると同時に、26歳の息子の就職を依頼した。この種の国会議員は盧議員だけだと誰が考えるだろうか。

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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