ノーベル委員会が8日、中国の劉暁波氏に平和賞を授与すると決めた時、同国国営メディアは国内では無視を決め込み、対外的にはノルウェーを非難した。
その中国にノルウェーが先週贈ったものが、メディアの注目を集めている。
贈られたのは、色とりどりのすし8734貫。両国の旗をモチーフにした20.13平方メートルのモザイクとなって、上海万博のノルウェー館に登場した。ノルウェー水産物輸出審議会によると、おなかをすかせた来館者数百人のほか、ギネスブックの担当者も記録確認のため訪れたという。
これまでのギネス記録は、インドで08年に達成された5814貫(15.16平方メートル)。「MUMBAI」(ムンバイ)を形取ったものだった。
新記録は中国がノーベル委員会を非難するなかで達成された。同国は、ノルウェーのバルグハンセン漁業・沿岸問題相との会合を中止するなど、劉氏への授与決定に対する不満を表明。国営メディアはノルウェーに謝罪を求めている。
しかし、ノルウェーの水産物そのものはもっと暖かな歓迎を受けた。
このモザイクは、ノルウェーからのサーモン輸入が1000万匹目に達したことを祝う式典の一部で、式典にはバルグハンセン漁業相も出席していた。ノルウェー水産物輸出審議会によると、2009年の対中国(香港を含む)水産物輸出量は14万4578トン。輸出額は23億7000万元だった。輸出量は前年比55%、輸出額は同42%の伸びという。
すしモザイクには、節目を祝うとともに、中国メディアで広く報じてもらう狙いがあった。両国が1954年から享受してきた外交関係でサーモンが演じてきた役割は知られていなかったが、今回の式典でスポットが当たった。
しかし、一部中国メディアはノルウェーに触れなかった。日中の緊張が続くなか、そうしたメディアはすしが日本食であることにも言及していない。