腐敗解消が急務、「習近平時代」の政治課題(上)

 「文章や言葉は簡潔かつ実質を伴い、新たな理念や思考を提示しなければならない。見かけは良いが空虚でうそに満ちた言葉は、自分だけでなく、党のイメージも低下させる」

 今年5月12日、中国共産党の幹部養成機関、中央党校で行われた春学期の入学式で、習近平国家副主席は、言葉と文章の重要性を1時間近くにわたり力説した。いわゆる「文風改革」だ。習副主席は「長・空・仮(虚偽の意)」の代わりに、「短・実・新」を文章の原則として示した。

 昨年3月、若い幹部と座談会を行った席上、ストレートに腐敗の誘惑に言及した。「社会のさまざまな人物が投資概念で若い幹部を誘惑する。わいろや酒色で攻勢をかければ、道徳の壁が弱い幹部は負けてしまう。そのえさにかかり、違法集団の手先になれば、党と人民が与えた権力を彼らに渡すことになってしまう」と述べたほか、「メディアを大衆と接する機会として活用してほしい」と述べ、メディアに積極的に対応するよう求めたこともある。

 普段は政治的な懸案や改革問題に対し寡黙な習副主席だが、党校の若い幹部には自分のカラーを鮮明に示す。彼らは習副主席が権力を握る期間に働く人材だからだ。

 習副主席をはじめとする革命第5世代指導部は、過去とは異なる政治スタイルを見せるとの観測が有力だ。非公開、秘密主義一色から脱し、時代の変化に合わせ、より開放的な姿勢を見せるのではないかとの見方だ。

 北京駐在の外交関係者は「過去の指導者の夫人とは異なり、習副主席の夫人で歌手の彭麗媛氏が外部でファーストレディー役を果たすこともあるのではないか」と話した。

 しかし、時代の変化が習副主席に与えるプレッシャーも少なくない。過去30年間の高度成長による副作用が拡大する一方、それを解決すべき共産党の統治基盤や正統性は弱まっているためだ。党幹部から一般党員に至るまで腐敗スキャンダルが絶えず、「共産党=腐敗」とまで言われるほどだ。

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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