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阪神・星野仙一オーナー付シニアディレクター(SD=63)が19日、大阪市内のホテルで、正式に退団を表明した。楽天の新監督候補に一本化されている星野SDは「また、甲子園に戻ってきます。日本シリーズで」と、事実上の“受諾宣言”。2002年の監督就任から9年間、在籍した球団に別れを告げ、星野楽天がまもなく誕生する。
星野SDの心は、すでに「杜(もり)の都」へ向いていた。01年12月、阪神の監督就任会見を行ったホテルで開いた退団会見。「また、甲子園に戻ってきます。日本シリーズで」。新監督候補に一本化した楽天の名前こそ挙げなかったが、戦う姿勢を見せた。事実上の“受諾宣言”だった。
自らの気持ちにウソをつけなかった。12日に大阪市内で坂井オーナーと極秘会談した席で退団を申し入れた。「ここ1、2年、無性に野球をしたいという気持ちがすごく芽生えてきた。オーナーにも(南)球団社長にも『オレ、野球がしたいんだ』というワガママを言いまして…。お互いに悩んだ部分はあったが、私の意思を尊重してもらった。僕は野球がしたいんです」。メダルなしの4位に終わった北京五輪から2年。胸の奥底から自然とわき出した野球への思いを、抑えることができなかった。
来年1月で64歳。楽天監督のオファーを受諾すれば、年齢的に最後のユニホームになることは百も承知だ。「還暦を迎えて、険しいということは分かり切っているが、険しいけども、そこに道があるのなら、歩いていかないと。戦っていかないといけないだろう」と悲壮な覚悟を口にした。
「きょうはタイガース・ファンへのお別れなので。またあらためて」。楽天の話題を振ろうとしたインタビュアーを制したが、阪神と戦いたいかと問われると、ついつい本音が出た。「日本シリーズで会うのは最高。阪神も優勝しているんだから。ものすごい遠い夢だと思うけど、それを目標にやっていかなければいけないと。お互いに切磋琢磨(せっさたくま)しながら、甲子園で出会えるのが一番。交流戦じゃ意味がない」と言い切った。監督時代を含め、9年間在籍したタイガースを去った星野SDの目に、燃えるような闘志が宿っていた。
(2010年10月20日10時07分 スポーツ報知)