岐阜県警の説得失敗だった　愛知の籠城、たばこ１２００箱窃盗で再び逮捕

　愛知県一宮市のアパートで２０日、男が同居女性（３３）を人質にして自宅に立てこもった事件で、監禁容疑で愛知県警が現行犯逮捕した無職、高橋敏行容疑者（３８）について、窃盗容疑で逮捕状を取っていた岐阜県警が同日夜、たばこ約１２００箱などを盗んだ容疑で逮捕した。

　愛知県警によると、高橋容疑者は立てこもった理由について「逮捕されたくなかった。これ以上立てこもっても家族に迷惑をかけると思い、出てきた」と供述。同居女性が被害届を出さない意思を明確にしていることなどから、監禁容疑では立件しない見通し。

　窃盗容疑は３月、ほか３人と共謀し、愛知県春日井市のたばこ小売店に侵入。たばこ約１２００箱と現金が入ったレジスターを盗んだとしている。

　岐阜県警は窃盗容疑で高橋容疑者の逮捕状と、立てこもった自宅アパートの捜索令状を取得。捜査員約１０人が２０日午前８時ごろ、インターホンを押したが応答がなく、８時４５分ごろからベランダ越しに出てくるよう説得した。

　しかし高橋容疑者は次第に興奮。「おれは死ぬ。女も殺す」と怒鳴り始めたため、岐阜県警が愛知県警に連絡した。

　午後１時２５分ごろ、愛知県警捜査員の説得に応じ、玄関のドアを開けたところを現行犯逮捕された。