北朝鮮の市長や道知事全員が異例の訪中(下)
経済協力に関する議論のため、中国の東北3省責任秘書も北朝鮮を訪問
統一部の当局者は、「最近は中朝国境地帯を中心に、さまざまな開発プロジェクトが本格的に行われている。両国の経済協力がさらに深まり、発展する状況は次々と明らかになっている」「朝鮮労働党と中国共産党は、党中央次元での合意はすでに済ませたようで、次は地方の党次元で具体的な協力に乗り出すのだろう」と述べた。
中朝の軍事協力も目につく。とりわけ25日は、中国人民解放軍による6・25戦争(朝鮮戦争)参戦60周年となるため、これまでとは異なる大きな意味づけを行っているような雰囲気だ。
朝鮮中央放送は19日、「中共軍による韓国戦争参戦60周年をきっかけに、中国人民解放軍の王海・元空軍司令官を団長とする、中国人民支援軍の老兵(元参戦兵)代表団と、中国軍の文芸支援団が平壌に到着した」と報じた。北朝鮮では一行歓迎するため、呉克烈(オ・グクリョル)国防副委員長と朴在慶(パク・ジェギョン)人民武力部副部長が宴会の席を設けた。金正恩氏による権力世襲は軍を掌握できるかがカギになるため、中国軍が朝鮮人民軍の新たな首脳部と関係を強化することは、金正恩氏を後押しするという意味合いにも解釈できる。
14日には人民武力部のピョン・インソン副部長を団長とする朝鮮人民軍親善団が中国を訪問し、中国人民解放軍の部隊などを視察した。新華社通信は同日付けの労働新聞を引用し、「先代が血で結んだ友誼は次の世代へと続いている」「25日は中国人民支援軍が韓国戦争に参戦して60周年を迎える」などと報じた。韓国政府の安全保障関連部処(省庁)の関係者は、「北朝鮮は、経済面では中国に頼って国際的な孤立から抜け出そうとしている。またその一方で、軍事的にも中国と関係を深め、韓国の哨戒艦『天安』を沈没させたことで強化されている韓米軍事同盟に対応しようとしているようだ」とコメントした。
アン・ヨンヒョン記者