前日練習で審判と談笑する中日・落合監督
敵将の投じたブラッシュボールを難なく受け流した。日本シリーズへの挑戦権をかけた決戦前日。ナゴヤドームで約2時間の最終調整を終えたオレ竜軍団は、巨人・原監督の挑発に乗らず、自然体を貫いた。
「一泡吹かせてやりたい。(中日も)そろそろ負けるんじゃないかと思うはず」。9連敗中の鬼門・ナゴヤドームでの戦いを控えた前日、原監督は落合竜を触発する言葉を記者会見で並べ立てたが、オレ竜戦士たちは意にも介していなかった。
東海大相模の後輩に当たる選手会長の森野は言った。「そういう発想は監督が考えることであって、ボクら選手は目の前の1球に集中するだけなんで、何も気にならないですね」。荒木も「シーズン中だって、いつか止まると思ってた。今さらそんな考えは持たないし、挑発には乗りませんよ」と続けた。
2勝10敗と竜の怖さを知る者だからこそ、場外戦で劣勢ムードをはねのけたい狙いもあったのだろうが、余裕の態度で敵将の攻撃をかわした。決まり手は内またすかし。敵軍に仕掛けられた場外バトルは、落合竜の一本勝ち‐。
(2010年10月19日)