「パ・リーグCSファイナルS・第6戦、ソフトバンク0‐7ロッテ」(19日、ヤフド)
負の歴史を止めることはできなかった。ソフトバンクナインは、相手の歓喜する姿をベンチからぼう然と見つめるしかなかった。松田と本多はタオルを頭にかぶせ、しばらく動けず。川崎はロッテナインの喜ぶ姿をしばらく眺めた後、タオルで顔を覆った。
秋山監督は一点を凝視し、悔しさをこらえた。鬼門と言われたCS、04年のプレーオフ制後は6度目の挑戦だったが、またも厚い壁にはね返され、シーズンが終わった。
打てなかった。成瀬の巧みな投球に完封負け。初戦に続き4安打のみ。6戦で計9得点しか奪えず。シーズン1位突破し、1勝&ホームアドバンテージはあったものの、またも悲劇のステージとなってしまった。
主将の小久保は「打撃陣は力を出せなかった」と無念の表情。初戦の2安打以降、5試合連続の無安打、21打席連続ノーヒットで終了した川崎は「僕の責任。もっと練習しないといけない」とうつむいた。
先月26日、リーグ制覇を決めたが、CSファイナルS開幕まで18日のブランクがあった。フェニックスリーグで2試合実戦調整を積んだとはいえ、試合感覚を戻すのは難しかった。
来シーズンも指揮を執る秋山監督はCS突破こそならなかったが、就任2年目で7年ぶりのパ・リーグ制覇を成し遂げた。「長いシーズンを勝ったことは自信を持っていい。(短期決戦の)調整がうまくいかなかった。来年はそういうものも踏まえてやっていかないと」と前を向く。課題と収穫のあった2010年。これを糧にして来季こそ秋山ソフトバンクが、悲願の日本一を手にする。