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【サッカー】観客水増しの大宮 社長が辞任 Jリーグ勝ち点はく奪か2010年10月20日 紙面から Jリーグ1部の大宮アルディージャの渡辺誠吾社長(55)は19日、さいたま市内で記者会見し、2007年11月からの主催試合でリーグの統一基準に反して水増しした入場者数の発表を続けていたことを認めた。主催した全58試合で不正が行われ、水増しは合計11万1737人に上った。Jリーグは近く裁定委員会を開き、リーグとしての処分を決定するが、勝ち点はく奪という厳罰を下す可能性もある。 渡辺社長の会見を受けて、Jリーグの大東和美チェアマンは「信じられない。個人的には怒り心頭。(処分は)重いと思う」と厳罰で臨む考えを示すとともに、公式入場者記録の訂正に応じる考えを示した。過去、Jリーグでは、2008年5月17日の浦和−G大阪戦(埼玉)で、サポーター同士の騒動に発展した問題で、ホームの浦和に科された2000万円の制裁金が最も重い。Jリーグ規約では、149条「制裁の種類」に厳罰として「勝ち点はく奪」を定めている。 渡辺社長は辞任の意向を示した上で、入場者数の計算を行っていたクラブ幹部2人を解任すると明らかにした。しかし、幹部の氏名や肩書などの公表は拒んだ。渡辺社長によると、ホームのNACK5スタジアム大宮が使用可能となった07年11月以降、幹部2人が着席状況やイベントの参加人数などを目算、推計して入場ゲート通過者に上乗せしていた。 Jリーグは観客数の実数発表を導入。経営の透明性を高め、スポンサーなどからも信頼を得てきた。統一基準では、観客数はゲート通過者と貴賓席などの特別席、車いす観戦者とその介助者のみを合算するとしている。だが、クラブ内でこの基準を認識していた者はいなかったという。07年10月以前の記録は残っておらず不明とした。 上乗せした人数は07年が2試合で4690人、08年が20試合で2万5809人、09年が20試合で4万8610人、ことしは16試合で3万2628人だった。渡辺社長は不正に至った背景の一つとして「09年までに年間観客動員30万人」のクラブの目標達成があったことなどを挙げた。
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