右からのクロスに、スライディングでシュートを打ちに行くブルザノビッチ(手前)=愛知県豊田市のトヨタスポーツセンターで
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名古屋グランパスは19日、愛知県豊田市のトヨタスポーツセンターで、23日の神戸戦(ホムスタ)に向けて、2部練習を行った。昨季途中に加入してから2戦3発と“神戸キラー”を自認するMFブルザノビッチ(25)が、神戸戦のチーム得点王に名乗りを上げた。
ブルザノビッチは伸び放題のひげをそり落として現れた。ゴール前のクロスに、スライディングで追いつき、シュートを放つなどハッスルし、シュートを外すと悔しがって雄たけびを上げた。飛び込みすぎて、頭に合わせようとしたボールを背中に当て、イレブンの笑いを誘う場面もあった。けがや体調不良に苦しんだ先週までとは見違える明るさだ。
9月18日の横浜M戦(瑞穂陸)に先発したが、ストイコビッチ監督から「良くなかった」と酷評され、前半の45分で交代した。その後はコンディション不良もあり、出場機会は激減。しかし、体調も良くなり、「今はすべて大丈夫」と、自信を取り戻している。
“神戸キラー”を自認するブルザノビッチは、1−0で勝った昨季の11月8日の対戦では決勝弾。2−0で勝った今季の4月3日の対戦では直接FKから2得点。2試合で、チームの全3得点をたたき出している。
神戸戦のチーム最多得点は、グランパスに6年間在籍、昨年大分で引退したウェズレイの4点。ブルザノビッチら3選手が3得点で並んでいる。現役時代のピクシー監督でも神戸戦は1得点のみ。そのデータを見ると、ブルザノビッチは万歳して、自分をたたえる歌まで披露した。
一緒にいたFW杉本に、「2点はFKだね」と、からかわれたが「FKも1点は1点」と胸を張った。FKをける機会を得るためには、試合に出ないといけないが、攻撃的MFの中村が、前節の新潟戦で退場処分を受けて出場停止となるだけに、チャンスはある。
ブルザノビッチは「1番点を取っている選手は誰」と、ライバルの名前を再確認。「今、とてもハッピーだ。(いい情報を)アリガトウ」と、上機嫌だった。モチベーションを一気に最高潮まで上げたブルザノビッチが、次戦のゴールで、真の“神戸キラー”を襲名する。 (伊東朋子)
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