2008年10月20日
山中潤氏の語る「ガロ」・8
私は山中さんに現在の漫画業界の事を質問してみました。
現在は、山中さんが関わる前のガロと同じ様に、
雑誌の収入が見込めないので、単行本収入で補填するという雑誌が、
増えてきている。
マイナー誌だけではなく、メジャーといえる雑誌も休刊してきて、
業界全体で雑誌の売り上げが落ちて行ってる・・・
そういった状況を、どう思ってられるのだろう?
「いや、それは昔も今も同じで、雑誌はもともと儲けが少ないモノですよ。
当時だって単行本頼みだったのは今と同じ。
いくら、ジャンプやマガジンが売れていたって、
雑誌だけの収入なんて、他の大企業の年収に比べたら少ないほうです。
波及効果とかを考えるとスゴイんですけどね。
・・・それで、現在は漫画業界全体が低迷しているという話はよく聞きますが、
その割に映画やドラマの原作は漫画からとってるのが多いですよね?
アレはなんででしょうね?どう思いますか?」
逆に質問されてしまいました。
私も詳しくはよくわからないので、
それは多分ドラマも映画も自前で脚本家を育てられないから、
漫画にしろ小説にしろ他の媒体から原作を借りていて、
さらに言うなら、出版社の方から原作の売り込みを働きかけ、
相乗効果を期待しているのではないか・・・
と、一般論を述べるにとどまった。
「やはり育てられないという事は、
映画業界とかに入って行く若者が少ないとか、
若い人が希望をもてなくなっているせいなんでしょうね。
たとえば金持ちになりたいと思っても、
ホリエモンみたいに逮捕されるのを見てしまうと、
希望ももてず、ニートとかになっていくのかもしれませんね・・・」
さて、山中さんから、
現在のカスタムパソコンショップ『JUNS』の事で
なにか告知する事はないでしょうか?
と伺った所、
「特に現在の告知とか宣伝とか、そういうのはいいです」
と、答えられました。
けれど、ショップのアドレスだけは貼っておこうと思います。
http://www.juns.jp/
最後に山中さんの今後の活動や展望について伺った。
「今、足場も固まってきたので、
もう一度雑誌をやってみたい気持ちがあるんです」
失礼ながら、少々意外にも感じた。
なにしろ現在は出版不況で雑誌が売れなくなっている。
「ネットが普及して雑誌が読まれなくなったと言われますが、
それでも紙媒体だからこそ出来るモノ。
紙媒体でないと成り立たないモノってのがあると思います。
それに、広告にしてもウェブ上に広告を出さずに、
雑誌や新聞にしか広告をださない大企業だってあります。
写真とかの特集でも、ウェブより紙媒体でないとダメと思う人も、
まだまだ多く存在する。
なんだか、今もう一度雑誌をやれる時期が来たんじゃないかな?
と、思うんですよ」
そして、山中さんの思いは雑誌だけにはとどまらない。
「映像も最近は一眼レフでいい映像が撮れるカメラがあるし、
ハイビジョンカメラも安くなって、以前より簡単に、
クオリティ高く、低予算映画を撮れる様になってきました。
今、クリエーター向けのパソコンを作っているから、
そういうのを見たり触ったりできています。
たまたま『m.o.v.e』のt-kimuraさん(注1)にマシンを提供して、
知り合ったり、石井聡互監督(注2)にも会ったりしていますし、
今後は映画と雑誌の両方やって行けたらいいなと思っています」
帰りぎわ、山中さんはエレベーターまで
笑顔で見送ってくれました。
不景気だとか、夢の無い時代とか言われる現在、
今なお、挑戦しようと意欲をみせる山中さんに、
勇気づけられる思いで私は事務所を後にしました。
追記は注釈解説。
文責・構成
原田 高夕己
現在は、山中さんが関わる前のガロと同じ様に、
雑誌の収入が見込めないので、単行本収入で補填するという雑誌が、
増えてきている。
マイナー誌だけではなく、メジャーといえる雑誌も休刊してきて、
業界全体で雑誌の売り上げが落ちて行ってる・・・
そういった状況を、どう思ってられるのだろう?
「いや、それは昔も今も同じで、雑誌はもともと儲けが少ないモノですよ。
当時だって単行本頼みだったのは今と同じ。
いくら、ジャンプやマガジンが売れていたって、
雑誌だけの収入なんて、他の大企業の年収に比べたら少ないほうです。
波及効果とかを考えるとスゴイんですけどね。
・・・それで、現在は漫画業界全体が低迷しているという話はよく聞きますが、
その割に映画やドラマの原作は漫画からとってるのが多いですよね?
アレはなんででしょうね?どう思いますか?」
逆に質問されてしまいました。
私も詳しくはよくわからないので、
それは多分ドラマも映画も自前で脚本家を育てられないから、
漫画にしろ小説にしろ他の媒体から原作を借りていて、
さらに言うなら、出版社の方から原作の売り込みを働きかけ、
相乗効果を期待しているのではないか・・・
と、一般論を述べるにとどまった。
「やはり育てられないという事は、
映画業界とかに入って行く若者が少ないとか、
若い人が希望をもてなくなっているせいなんでしょうね。
たとえば金持ちになりたいと思っても、
ホリエモンみたいに逮捕されるのを見てしまうと、
希望ももてず、ニートとかになっていくのかもしれませんね・・・」
さて、山中さんから、
現在のカスタムパソコンショップ『JUNS』の事で
なにか告知する事はないでしょうか?
と伺った所、
「特に現在の告知とか宣伝とか、そういうのはいいです」
と、答えられました。
けれど、ショップのアドレスだけは貼っておこうと思います。
http://www.juns.jp/
最後に山中さんの今後の活動や展望について伺った。
「今、足場も固まってきたので、
もう一度雑誌をやってみたい気持ちがあるんです」
失礼ながら、少々意外にも感じた。
なにしろ現在は出版不況で雑誌が売れなくなっている。
「ネットが普及して雑誌が読まれなくなったと言われますが、
それでも紙媒体だからこそ出来るモノ。
紙媒体でないと成り立たないモノってのがあると思います。
それに、広告にしてもウェブ上に広告を出さずに、
雑誌や新聞にしか広告をださない大企業だってあります。
写真とかの特集でも、ウェブより紙媒体でないとダメと思う人も、
まだまだ多く存在する。
なんだか、今もう一度雑誌をやれる時期が来たんじゃないかな?
と、思うんですよ」
そして、山中さんの思いは雑誌だけにはとどまらない。
「映像も最近は一眼レフでいい映像が撮れるカメラがあるし、
ハイビジョンカメラも安くなって、以前より簡単に、
クオリティ高く、低予算映画を撮れる様になってきました。
今、クリエーター向けのパソコンを作っているから、
そういうのを見たり触ったりできています。
たまたま『m.o.v.e』のt-kimuraさん(注1)にマシンを提供して、
知り合ったり、石井聡互監督(注2)にも会ったりしていますし、
今後は映画と雑誌の両方やって行けたらいいなと思っています」
帰りぎわ、山中さんはエレベーターまで
笑顔で見送ってくれました。
不景気だとか、夢の無い時代とか言われる現在、
今なお、挑戦しようと意欲をみせる山中さんに、
勇気づけられる思いで私は事務所を後にしました。
追記は注釈解説。
文責・構成
原田 高夕己
注1・・・t・kimura
1968年生まれ。音楽グループ「m.o.v.e」リーダー。
安室奈美恵や浜崎あゆみの楽曲のアレンジをてがける。
DTMのプロとして「初音ミク」を使用した楽曲制作や、
youtubeに楽曲配信する等のウェブ上の活動も多いる
注2・・・石井聰互(いしい・そうご)
1957年福岡生まれ。「狂い咲きサンダーロード」
「逆噴射家族」等で知られる映画監督。
その他ミュージシャンのプロモーションビデオや、
写真・ビデオアート等、様々なメディアで活躍。
1968年生まれ。音楽グループ「m.o.v.e」リーダー。
安室奈美恵や浜崎あゆみの楽曲のアレンジをてがける。
DTMのプロとして「初音ミク」を使用した楽曲制作や、
youtubeに楽曲配信する等のウェブ上の活動も多いる
注2・・・石井聰互(いしい・そうご)
1957年福岡生まれ。「狂い咲きサンダーロード」
「逆噴射家族」等で知られる映画監督。
その他ミュージシャンのプロモーションビデオや、
写真・ビデオアート等、様々なメディアで活躍。