耳かき店店員ら殺害、裁判員裁判初の死刑求刑へ

　東京都港区の民家で昨年、客として通っていた耳かき店の店員江尻美保さん＝当時（２１）＝と祖母鈴木芳江さん＝同（７８）＝を殺害したとして、殺人罪などに問われた無職林貢二被告（４２）の裁判員裁判の初公判が１９日、東京地裁で開かれた。林被告は「間違いありません」と起訴内容を認めた。裁判員は女性４人、男性２人。死亡者数や犯行の残虐性などから、検察側は裁判員裁判で初めて死刑を求刑する見通しだ。

　検察側は冒頭陳述で、江尻さんに一方的に恋愛感情を抱いていた林被告が、昨年４月に来店を拒否され、翌５月からストーカー行為を繰り返したと指摘。受け入れられず憎しみを募らせたとし「“この野郎”と怒鳴りながら江尻さんを５、６回刺した」と述べた。遺体の写真は裁判員のショックを和らげるため、モノクロで提示。それでも何度も顔をしかめる男性裁判員がいた。

　弁護側は「被告は毎日、遺族に謝罪文を書くなど後悔、反省している」と訴えた。１０月２５日の第５回公判で結審し、２９日まで連日評議。１１月１日に判決の予定。

[ 2010年10月20日 ]