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カネもないしノウハウも乏しい…自民 派閥衰退で人材育成困難

派閥衰退で自民党執行部が人材育成模索。自民党の石原伸晃幹事長(左)と谷垣禎一総裁(中央)、政権構想会議議長代理の伊吹文明元幹事長(右)
派閥衰退で自民党執行部が人材育成模索。自民党の石原伸晃幹事長(左)と谷垣禎一総裁(中央)、政権構想会議議長代理の伊吹文明元幹事長(右)
Photo By 共同

 「派閥連合体」といわれた自民党の派閥機能が弱まり、新人議員の教育や候補者発掘能力が低下している。問題視した執行部は「党が全面的に面倒を見る」と、政権奪還へ戦略を立てる「政権構想会議」(議長・谷垣禎一総裁)で具体策の検討を始めた。ただ、野党転落で党本部も資金は潤沢ではない。教育のノウハウも乏しく、執行部は四苦八苦しそうだ。

 ことし9月、若さと清新さを買われ抜てきされた石原伸晃幹事長は民放テレビ番組で「これまでの派閥の役割は候補者のリクルーティング、生活の面倒を見ること、新人教育だった」と指摘。その上で「この役割を果たす組織を党につくり、派閥のグループ化、政策集団化を目指す」と事実上の派閥解消を打ち出した。

 今月6日、政権構想会議は幹部による議論をスタート。議長代理を務める伊吹文明元幹事長は「個人商店的な党組織を近代的な会社にする」と強調する。派閥機能を党が担うことの課題を検討し、年内にも方向性をまとめたい考えだ。

 だが、派閥全盛時代に郷愁を覚えるベテラン議員は「先輩議員と日々接する中で知識や経験を自然と吸収できた」と派閥の効用を指摘。「野党になり資金力も落ちた。本当に党で面倒を見ることができるのか」といぶかる。

 小泉政権下、武部勤幹事長(当時)の発案で「日本夢づくり道場」と銘打ち、若手育成の場を設置。座談会や首相経験者らによる講演会を開いたものの、約2年で立ち消えになった経緯もある。

 派閥は、自民党候補者同士が競う中選挙区制を背景としてきた。候補者の発掘、選挙活動の指南をはじめ、当選後の教育や、政府、党でのポスト配分、資金援助も担い、首相の座を懸けた総裁選に備え結束を誇った。

 しかし小選挙区制導入で派閥間の競争意識は希薄化した。政党交付金が党本部に交付されて党執行部の権限が増し、小泉純一郎首相(当時)は内閣改造で派閥の要望を一切聞かずに閣僚人事を断行した。さらに野党転落で派閥の資金力、求心力は決定的に落ち込んだ。

 山崎拓元副総裁率いる山崎派は解散間近。脱派閥を掲げる若手の各派閥からの退会も相次いでいる。

 「派閥解消を訴える若手もグループをつくっている」との指摘もあるが、派閥機能が復活するとの見方は否定的だ。伊吹氏は「議席を得られなかった人の次の選挙は一体誰が世話をするのか」と早急な体制整備の必要性を指摘している。

Yahoo!ブックマークに登録 [ 2010年10月20日 09:34 ]

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