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結局彼は、今週もうちにいます。
月曜日の朝、出勤前の彼から、
「ほんとに会わないつもり?」 と、電話がかかってきて。
「お前が言ってる事は理解はできる、でもそれとオレの気持ちは別。
一般論で考えたらそうするべきかもしれないけど、お前の気持ちはどうなの?
オレと会えなくなっても、お前は平気なの?」
彼の言葉に、
自分の、多少なりとも残っている理性が、まさに一瞬で崩れていくのを感じました。
彼にとっては、『未来』より『今』が大事で、
そして、
『今』を優先したことで『未来』に壁ができたとしても、
『未来』が『今』になったときにそれに立ち向かう強さを持っていて、
あたしは彼のその強さに甘えることに決めました。
その日の夜遅くにうちに来た彼は、
朝とは別人のように冷静に、
「これからの話をしよう」 と言い、
今週の中で、早く仕事が終わる今日に、ちゃんと話をしてはっきりさせようと計画していたことを話してくれました。
あたしはそれを聞いて、先走り彼を急かしてしまっていたことを申し訳なく思って、
余計な計算をせず、打算もなにもなく自分の感情のままに行動する彼を見習って、
彼とあたし以外のことを考えるのをやめて、
彼のスピードで一緒に進んで行こうと思いました。
彼は今また、奥さんとの話し合いの最中。
その結果、
彼が落ち込むことがあれば、それを励まそう、
立ち向かう気力をなくしてしまったらなら、そんな彼を受け入れよう、
疲れてしまった彼を追い立てるのはやめよう。
あたしがこんな風に考えれるのは、
彼が微塵の屈折もなく、あたしのことを想ってくれているという自信があるから。
想い巡るほど、余計なことを考えてしまうけど、
それを何度も繰り返して、
あたしはここに戻ろうと思います。