結論3
彼を待っている30分くらいの間、
最初は、今後同じ職場で働いていくのに、いかにわだかまり少なく終わらせるかを考えていたのに、
今日が終わればもう彼の肌に触れることはないんだと、一瞬思い返した途端、
彼を失わずに、なおかつあたしも不安を解消できる方法はないんだろうかと考えるようになっていました。
考えて考えた結果、自分の気持ちを全部全部吐き出して、彼に聞いてもらうこと以外に解決策はないと。
聞いてもらって、それを彼がめんどくさいと、そんなつまらない事にこだわる女だとは思わなかったと言うならば、
そんな薄情なオトコを好きになってしまった自分を責めようと。
本音をぶつけ合えない相手なら、ここで終わって正解なふたりなんだと思いました。
自分の感情のベクトルを定め、彼を迎え入れました。
なるべく感情が高ぶらないように、落ち着いて自分の気持ちを伝えようと、
最低限の言葉を選びながら、
あたしは今、
彼のことを嫌いになって離れたいと思っているわけではないこと、
彼があたしのことを大切に思ってくれていることは十分に感じているということ、
彼と出会ってから表には出さないけれどそれなりに色々考えていたということ、
「それについてあなたは話したがらないけれど、あたしにはそれなりの罪悪感だってあったりするんだよ」と、
その後には、
”だから、はぐらかさずにちゃんと全部向き合おうよ” と、繋がるはずでした。
でもその言葉に彼は、
「分かったもういいよ、今までそんな気持ちを抱かせていたなら、なにもかもオレが悪いよ」
と、もう聞きたくないと言わんばかりに、あたしの言葉を待たずに言い放ちました。
その言葉で、あたしはもう、何も言えなくなりました。
言葉に詰まったあたしの後ろで彼は、
「今までありがとう」 ってことを、何度も言っていました。
彼を待つ30分の間、あたしは彼との未来を考えていたけど、そんなこと彼が知るわけなくて、
彼は、ここに来る30分の間、あたしと別れることを考えていたんだ。
それもこれも、我慢できなくなってしまったあたしが悪い。
欲を出した、あたしが悪いんだな。
彼に、
「さっきの電話でだいたいお前の気持ちは分かってるから、最後にちゃんと顔を見て終わらせて」
と、言われたけど、
”最後”って思うと、彼を見ることができませんでした。