2010年10月18日
ファイルやフォルダーをインターネット上に保存できるオンラインストレージサービス。今回は、その使い方を具体的に解説します。同種のサービスはたくさんありますが、中でも有名な「Dropbox(ドロップボックス)」を採り上げましょう。英語版なので最初は取っつきにくいですが、一度導入すると手放せない便利さがあります。
ドロップボックスの特徴は、パソコン上にある専用フォルダーの中にファイルを保存すれば、それがインターネット上にも保存されることです。操作は普段と全く同じで、特別なことを意識する必要はありません。
利用するにはまず、専用の「クライアントソフト」(無料)をパソコンにインストールします(図)。すると、特に指定しない限り、マイドキュメント(ドキュメント)の中に「My Dropbox」というフォルダーが作られます。ここにファイルをコピーすると、自動的にインターネット上に転送されます。
専用ソフトをインストールして、共通のID(メールアドレス)とパスワードで認証すれば、複数のパソコンで同じドロップボックスフォルダーを利用できます。これにより、自宅のパソコンと職場のパソコンで、同じフォルダーを共有できるわけです。
一方のパソコンからドロップボックスにファイルが転送されると、他のパソコンには自動的にそのファイルがダウンロードされます。つまり「My Dropbox」には、必ず最新の状態のファイルが自動転送されているわけです。複数のパソコンでデータを共有するのにも、ファイルのバックアップを取るのにも、便利な仕組みです。
ファイルをMy Dropboxに保存するようにしておくと、常に最新のファイルが、パソコン内のハードディスクとオンライン上の「自分のドロップボックス」の両方に保存される、というわけです。両方が同時に壊れる確率はかなり低いので、安心して利用できます。
専用ソフトは、iPhoneなどのスマートフォン用のものも配布されています。それを使えば、iPhoneからも、ネット上に転送されたフォルダーの中身を確認できます。
残念ながらDropboxは英語サービスなので、英語が苦手な人は尻込みしてしまうかも知れません。ただ、最初の導入の時は英語を読む必要がありますが、一度使い始めれば、この自動転送の仕組みのため、あまり英語を意識せず利用できます。無料登録の場合、容量は2GBまで。より大きな容量が必要な場合には、50GB(月額9.99ドル)または100GB(月額19.99ドル)のコースを契約する必要があります。
My Dropboxの中でも「Public(パブリック)」と名付けられたフォルダーは特殊な意味を持っています。他の部分は他人に公開されませんが、Public内に置かれたファイルには、他人もアクセスできます。従って、他人にファイルを受け渡したい時には、Public内にファイルを入れればいいのです。
Publicに保存したファイルを右クリック→「Dropbox」→「Copy Public link」を選ぶと、そのファイルにアクセスするための「アドレス」を取得できます。メールなどに張り付けて、渡したい人に知らせましょう。ただし全く知らない人にアクセスされる可能性もゼロではないので、用が済んだらPublicからファイルを消去しておきましょう。
ドロップボックスも万能ではありません。テキストや表計算などのサイズが小さなファイルは問題ないのですが、動画や写真などの容量の大きなデータをネットに転送する際には速度が遅くなりがち。大きなファイルをよく使うなら、「クオンプ」(リコー)や「インターネットディスク」(ジャストシステム)など、別のサービスの利用も検討しましょう。(ライター 西田宗千佳)