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高校無償化基準を了承、朝鮮学校も対象 民主部門会議

2010年10月20日

 朝鮮学校への高校無償化制度適用について検討している民主党の部門会議が20日、文部科学省の専門家会議が示した「教科書の記述などの具体的な教育内容は問わず、授業時数や教員数といった外形的な項目で判断する」との適用基準を了承した。基準をあてはめると、全国の朝鮮高級学校10校(休校を除く)は無償化の対象となる。

 この日は同党で教育問題を担当する文部科学部門と、拉致問題を担当する内閣部門の合同会議が開かれ、専門家会議の基準をおおむね了承するとの見解をまとめた。同日、党政策調査会に報告する。「国から支給される助成金が授業料軽減に使われることを担保すべきだ」「教育内容を問うべきだ」との声が出たことも付け加えたが、基準の変更は求めていない。

 民主党はこの見解を政策調査会で正式決定したうえで文科省に示し、同省は(1)党の見解を踏まえて基準を正式決定(2)基準にあてはめて朝鮮学校10校の審査を実施(3)適用の可否を決定――の順に手続きを進める見通し。(2)の審査を実施する主体は決めていないが、専門家会議の委員が担う案が出ている。

 高校無償化は今年4月に始まったが、朝鮮学校への適用を巡っては中井洽・拉致担当相(当時)らから反対論が出たため、文科省はいったん適用を先送りし、5月に専門家会議を設けて議論してきた。

 専門家会議は8月末に適用基準をまとめたが、菅直人首相が党の意見も聞くよう川端達夫文科相(当時)に指示。これを受けて9月に2回行われた文部科学部門会議では、専門家会議の基準を受け入れるべきだとの意見が大勢を占めていた。(青池学)

    ◇

 〈文部科学省の専門家会議が示した基準〉無償化の適用には、修業年限3年以上▽授業時数が年800時間以上▽体育や芸術などの授業も開設▽教員は教職に関する専門的教育を受けている、などの基準を満たすことが必要だとした。具体的な教育内容は「すでに適用されている他の外国人学校では判断基準にしていない」として入れなかった。

 同会議は基準以外に「助成金が授業料減額以外に使われるおそれがある」との批判を意識し、文科省が毎年財務書類をチェックする規定や、3年ごとに検証して基準を満たさない場合は適用を取り消す規定をつくるよう提言。同省が検討している。

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