中国・成都で起きた大規模なデモで一時、店舗の営業を取りやめるなどの影響が出た大手デパート「三越伊勢丹ホールディングス」は、事業の拡大に適した状況ではないとしてことしの年末にも予定していた中国・天津への出店計画を中止する方針を固めました。
デパート業界最大手の三越伊勢丹ホールディングスは、市場の拡大が見込まれるとして中国の上海や天津などに伊勢丹の4つの店舗を出店し、ことしの年末にも中国で5番目、天津で2つ目となる出店を計画していました。しかし会社側は、出店の条件をめぐって現地企業との交渉が進まないうえ、尖閣諸島の領有権をめぐって中国で反日デモが相次ぎ、四川省の成都にある店舗で一時、営業を取りやめる事態となったことなどから事業を拡大するのに適した状況ではないとして、出店計画を中止する方針を固めました。三越伊勢丹ホールディングスは、経済成長が続く中国を海外事業の柱とする方針に変わりはないとしているものの北京への出店構想など当面の事業計画については見直しを検討するとしており、日中間の一連の動きを受けて今後、日本の企業活動に影響が広がることも予想されます。