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女性医師勤務環境:院内保育や長時間労働、設備・制度向上せず /栃木

 ◇「常勤望まず」25%超

 女性医師が働きやすい環境作りを目指し、独協医大産科婦人科の望月善子准教授が県内の女性医師の勤務環境を調査した。院内保育など設備・制度面は3年前と比べてほとんど向上しておらず、非常勤の女性医師のうち常勤を望まない人が約4分の1を占めることが明らかになった。【泉谷由梨子】

 調査は県医師会や県の事業として今年5~7月、県内の110病院(有効回答74病院、回収率67・3%)と女性医師782人(有効回答299人、回収率42・4%)を対象に二つのアンケートを実施した。

 病院対象の調査では07年度の同じ調査と比較した。院内保育施設の設置は41・9%(07年度41・7%)、24時間保育実施は16・2%(同16・6%)でほとんど変わっていなかった。保育施設の運営に関して、国や県の支援を受けている病院は24・3%にとどまり、病院側の情報収集の不足がうかがわれた。

 医師対象の調査では男性同様に長時間労働にさらされており、月5回以上の宿直勤務をしている人が8・1%いた。現在、非常勤で働く女性医師は約10%いる。理由の約6割は子育てで、将来も常勤を望まない人が25・6%だった。

 出産・子育てなどで仕事を中断・離職した経験がある人は45・2%。その人たちに将来希望する勤務形態(複数回答)を尋ねたところ、厳しい勤務状況を反映してか、日勤のみの常勤が53・3%、非常勤を希望した人も20%に上った。宿直もある常勤を望んだのは12・6%にとどまった。

 また、子育て面では、院内保育所があっても緊急呼び出し対応してる施設はわずか1割、院内保育所があるのに利用していない人が6割いた。理由では「保育時間と勤務時間が合わない」が23・1%と最も多く、支援制度と勤務実態とのミスマッチが明らかになった。

 望月准教授は「労働環境を整備するための継続支援が必要だ。多様な生き方を望む人が増える中、モチベーションを保てる制度を整えるべきだ」と指摘している。

毎日新聞 2010年10月20日 地方版

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