「野菜が嫌いなのは本当に美味しい野菜を知らないから。有機栽培の無農薬野菜を食べれば解消できる!」
そんなありがたいアドバイスを耳にすることもあるが、野菜の微量な毒素が野菜嫌いの原因だとしたら、有機野菜に走るのは逆効果かも。
合成農薬を使わないと、野菜は自分で自分の身を守ろうとする。オーガニック栽培の野菜は味が濃いが、その反面アルカロイドなどの苦み成分や毒素も増えている。よって無農薬野菜にスイッチすると、余計に野菜嫌いが増長する危険もある。
良薬口に苦しというけれど、植物に含まれる毒素がヒトに役立つこともある。
トマトやキュウリなどの野菜に入っているサリチル酸は酸性が非常に強く、高純度のものをそのまま摂ると胃腸に穴が開く。サリチル酸は病原菌に感染した植物が作る物質で、抗菌性のタンパク質の合成を促す。一方で古代メソポタミア人からネイティブアメリカンまで、人類は長らくヤナギの仲間が作るサリチル酸を解熱・鎮痛に用いてきた。このサリチル酸を加工したのが、解熱・鎮痛剤として広く知られるアスピリン。サリチル酸もアスピリンも、体内で痛みや発熱を誘発する物質の伝わりをブロックしてくれる。
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