ポイズンリストはまだまだ続く。
次はシアン化水素。毒物の代名詞青酸カリ(シアン化カリウム)の仲間で、体内で酸素を運ぶ赤血球のヘモグロビンの機能を妨げる。ウメやアンズといったバラ科の植物の未熟な果実や種が含むアミグダリンが、胃酸で分解されるとシアン化水素が発生する。アミグダリンは種子が熟するプロセスで減っていくし、ウメも梅干しや梅酒にすると塩分やアルコールなどで毒性は抜ける。
ホウレンソウ、パセリ、サツマイモ、ルバーブなどはシュウ酸という化学物質を含有している。シュウ酸は体内でカルシウムと結合してシュウ酸カルシウムとなるが、これは腎臓結石の引き金となる。ホウレンソウは下茹でして調理するケースが多いけれど、こうするとシュウ酸の40〜50%は灰汁に紛れて出ていく。だが体質的に結石ができやすい人は、これらの野菜は控えた方が無難。
インゲン豆に大量に入っている糖タンパク質の一種レクチンは、赤血球を凝集させる有害な性質があり、加熱不足のインゲン豆を食べると吐き気や下痢を起こす。75度程度の加熱ではレクチンの活性は低下しないので、食べるときは10分以上軟らかく煮てから召し上がれ。
セロリやニンジンなどのセリ科の植物でアレルギー性皮膚炎を起こす場合がある。これは細菌に感染したセロリなどの野菜が作り出す成分の作用によるもの。
人間だけではない。犬やネコは、タマネギ、ニンニク、ニラといったネギ類でタマネギ中毒を起こす。ネギ類が持つイソアリルシステインスルホキシドという成分が赤血球を壊して溶血性貧血を招くのだ。キャベツやブロッコリーなどのアブラナ科の野菜に含まれるS-メチルシステインスルホキシドも同様に牛などの反芻動物で溶血性貧血を引き起こす。
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