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| 会見で辞任を明らかにし涙ぐむ大宮の渡辺誠吾社長＝１９日午後、ＮＡＣＫ５スタジアム大宮 |
埼玉スタジアムで２日に行われたＪリーグ１部（Ｊ１）の大宮―浦和のさいたまダービーで、ホームの大宮が発表した入場者が水増しされた疑いがある問題で、大宮の渡辺誠吾社長は１９日、さいたま市内で記者会見し、２００７年１１月からの主催試合の５８試合すべてで、リーグの統一基準に反して入場者数を水増しして発表していたことを認めた。水増しは合計１１万１７３７人に上った。
渡辺社長は辞任する意向を表明した上で、入場者数の計算を行っていたクラブ幹部２人を解任すると明らかにした。幹部の氏名、肩書の公表は拒んだ。
Ｊリーグは近く裁定委員会を開き、リーグとしての処分を決定する。ほかのクラブに対しても入場者数の実態調査を行い、再発防止を徹底する方針だ。
渡辺社長によると、ホーム競技場のＮＡＣＫ５スタジアム大宮が使用可能となった０７年１１月以降、幹部２人が着席状況やイベントの参加人数などを目算、推計し入場ゲート通過者に上乗せして公式入場者数を水増ししていた。
Ｊリーグは日本のスポーツ界の先駆けとして観客数の実数発表を導入。経営透明性を高め、スポンサーなどからも信頼を得てきた。基準では、観客数はゲート通過者と貴賓席などの特別席、車いす観戦者とその介助者のみを合算。しかし、社長、幹部２人を含めクラブ内でこの基準を認識していた者はいなかったという。０７年１０月以前の記録は残っておらず、不明とした。
上乗せした人数は、０７年が２試合で４６９０人、０８年が２０試合で２万５８０９人、０９年が２０試合で４万８６１０人、ことしは１６試合で３万２６２８人だった。渡辺社長は不正に至った背景の一つに、「０９年までに年間観客動員３０万人」のクラブの目標達成があったことなどを挙げた。
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