習近平氏、1年前には「準備不足」と辞退(上)

 「わたしは中央で働き始めてからあまりたっていません。よく分からない仕事が数多くあります。内部の仕事をしっかりやるためには相当の努力が必要です。自分から新たな仕事を引き受ける能力や準備は整っていません」

 昨年9月に中国共産党第17期第4回全体会議(4中全会)の開催に先立ち、習近平国家副主席(57)が胡錦濤国家主席に送った手紙の要旨だ。当時党大会では、習副主席が党中央軍事委員会副主席に昇進し、次期最高指導者として最終的に選ばれるとの予想が有力だったため、数多くの中国ウォッチャーが注目していた。

 この手紙を受け取った胡主席は、権力序列2位の呉邦国・全国人民代表大会常務委員長、3位の温家宝首相の同意を得て、習副主席を昇進させなかったという。習副主席が権力の座を辞退したのは、文化大革命の時期に体験した権力闘争への嫌悪感とともに、重責を担うことへのプレッシャーのためではないかという見方が大勢だった。

「うるさいやつを取り除け」

 突発的な事態がない限り、2012年から22年まで10年間にわたり、党、政府の最高指導者として中国を率いることになるとみられる習副主席は、控えめながらも時折ずばり直言することで有名だ。2008年の北京五輪で準備総責任者を担当した習副主席は、中国が人権弾圧国だという海外の反発が強まると、「他人が好もうが、嫌おうがわれわれは関係ない。世の中は広いのだからどんな人もいる。鳥かごの鳥がうるさく騒ぐならば、一番うるさいやつを取り除けばよい」と余裕だった。昨年2月にはメキシコで中国の人権問題に関する批判に対し、「飯を食ってすることがない外国人があれこれ言っている」と発言し、海外世論の悪化を懸念した中国政府がインターネットサイトからこの表現を削除しようとして、騒ぎになったこともある。

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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