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[ICON]森田実の時代を斬る

反中、反日のエスカレートの悪循環を断たなければならない

森田実

提供:森田実の時代を斬る


 だが、私は、いかなる犠牲を払っても平和は守るべきであると主張する。前原外相のように「曖昧領域」を明確に否定することは、結果的に中国側にも同じ態度をとるよう求めることになり、紛争は避けられなくなる。前原外相のように紛争が生じても1972年の国交樹立時と1978年の平和友好条約締結時の日中関係を否定するのがよいか、平和を守るために1972年と1978年のやり方を守り続けるか、がいま日本国民に問われているのだ。私は1972年と 19078年の日中外交のやり方を変えてはならないと思う。

 私は、前原外相の存在はきわめて危険であると考えている。菅内閣は前原外相と心中するのか、前原外相を切るのか、明確に決断すべきである。いまの日本には、戦前の松岡洋右外相のような外相は有害である。前原氏は松岡洋右外相に似ている。

 第二。紛争が起きた時期が、最悪の時期だったことだ。2年後の中国国家と軍と共産党の指導体制の交代を決める時期が2010年秋である。この時期に日中間のトラブルが生じた。

 中国政府内の親日派が日本寄りの発言がしにくい時期に紛争が起きたのだ。このため、本来は日本を擁護すべき人が沈黙し、不必要にこじれてしまった。

 第三。民主党政権誕生後に日本の外交体制はほとんど崩壊してしまった。民主党の「政治主導、脱官僚」改革が強引に行われた結果、日本の外交当局はほとんど機能不全に陥った。とくに、外交には素人の指導力なき民間人を大使に登用したことによって、北京駐在日本大使館の外交機能は事実上崩壊してしまっていた。今回の危機にあたって、大使館は無力だった。

 責任感がなくリーダーシップに欠けた事なかれ主義の菅内閣は前原氏に外交をまかせ続けるだろうが、おそらく前原外相では日中外相会談はできないだろう。日中外相会談すらやれないような露骨な反中国主義者を外相の地位におく菅首相の不見識が問われることになろう。

 それにしても、どうかしているのがマスコミである。大新聞もテレビ局も、前原外相では日中外相会談ができないことを知っているはずである。それでもマスコミは何も言わない。マスコミは何を恐れているのか?! 前原氏がとくに信頼されているアメリカ国務省の日本担当者たちを怖がっているとすれば、もはや日本の大新聞はジャーナリズムとは言えない。マスコミは前原外相を擁護しているが、松岡洋右外相を英雄にした戦前のマスコミと同じ轍を踏んではならない。

 もう一度、菅首相に問う。前原過激外交でいいのか?!と。「曖昧領域」を残しても平和友好の道を進むのが平和憲法をもつ日本の生き方でなければならぬ。仙谷官房長官に問う。君は平和憲法を裏切るのか?!と。
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森田実の時代を斬る

森田実

日本評論社出版部長「経済セミナー」編集長などを経て、政治評論家へ。また、株式会社森田総合研究所代表取締役も務める。

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