戦乱の終結を期待し、イラクに帰還した難民の60%以上が、テロへの不安などから、イラクに戻ったことを後悔していることが、国連が実施したアンケート調査で明らかとなりました。
UNHCR=国連難民高等弁務官事務所は、おととしまでの2年間にイラクの首都、バグダッドに帰国した2353人の難民を対象にアンケート調査を実施し、調査結果を19日、発表しました。それによりますと、全体の61%が「帰国したことを後悔している」と述べ、その理由として、大半の人たちが、治安情勢が改善せずテロなどに巻き込まれることへの不安をあげました。さらに全体の34%が、今後もイラクで生活を続けていくかどうか定かではないと回答しました。国連では、すでに帰還した難民に加えて、周辺国に今も数多く残る難民への支援を国際社会に今後も要請していく方針ですが、今回の調査は、本国に帰還したイラクの人たちの安全が脅かされている実態をあらためて浮き彫りにしました。