リニア中央新幹線の諏訪・伊那谷回りのBルート実現を目指す諏訪、上伊那両地区の期成同盟会は18日、国土交通省に久保成人鉄道局長を訪ね、同ルート採用を緊急要望した。Bルートは観光面や地域振興などで経済的波及効果が大きいとし、「国民全体にとっても大きなメリット」があると訴えた。
整備計画を検討する交通政策審議会の小委員会は20日の会合で、南アルプスを貫くCルートが「優位」とする費用対効果や経済効果の推計の報告を受ける。両同盟会はその前にBルートの「優位点」をアピールした。
会談は非公開。その後の取材に対し、上伊那地区は会長の白鳥孝伊那市長は「7分の遠回りで、将来的には日本海方面への新しいルートとして日本の発展に寄与できる可能性がある」と指摘、東海地震時の東海道新幹線の代替ルートとしても「(Cルートより東海地方から離れた)Bルートの方が優れている」と主張したことを明らかにした。
諏訪地区は副会長の今井竜五岡谷市長が参加。「鉄道局長は『何も決まっていない』と言った。今後も要請を続け、理解を得たい」とした。
ほかに上伊那地区副会長の向山公人伊那商工会議所会頭(県議)ら6人が参加。民主党の北沢俊美防衛相(参院県区)、矢崎公二氏(衆院4区)ら県関係国会議員にも要望書を届けた。