中国を訪問している江田五月前参議院議長は19日、中国の楊潔*チ外相と会談し、この中で楊外相は、相次ぐ反日デモについて「愛国の気持ちはわかるが、過激なデモによって問題を解決しようという立場を中国政府は支持しない」と述べ、国民に冷静な対応を求めていく考えを示しました。
(*楊潔チ外相の「チ」は竹かんむりに褫のつくり)
中国では、今月16日から内陸部の都市で、尖閣諸島の領有権をめぐって日本に抗議するデモが相次ぎ、一部の地域では参加者が暴徒化し、日系のスーパーや日本料理店を襲撃しました。こうしたなか、日本の青少年の中国訪問団の団長として、中国を訪れている江田前参議院議長は19日、中国の楊潔チ外相と会談し、会談のあと記者団の質問に答えました。江田氏によりますと、会談で楊外相は相次ぐデモについて「愛国の気持ちはわかるが、過激なデモによって問題を解決しようという立場を中国政府は支持しないと」と述べ、国民に冷静な対応を求めていく考えを示したということです。これに対して江田氏は、「日本でも一部の人たちが中国大使館に抗議に駆けつけたりして、中国の人たちの気持ちを逆なでしている面があり、好ましくない」と述べ、日中双方が関係修復に向けて自制していく必要があるという考えで一致しました。