具体的には、中国からの輸出入がストップする可能性に備えて、可能な範囲でバックアッププランを考えておくか、ビジネスでもプライベートでも、中国国内で法を犯すと見なされかねない行動を慎むとか、政府に許認可を申請するタイミングを遅らせるといった対処が必要だ。日中間の関係悪化につながりそうな情報を掴んだ瞬間に、最悪の事態に備えて、被害を最小化する判断力とセンスが必要だろう。
日系企業に忍び寄る「二次災害」リスク
架空のコネをちらつかせる悪徳業者にご用心!
また、人の弱みに付け込んで寄ってくる怪しい誘いに乗って、二次災害を起こさないことも重要だ。今回のように日系企業が困ったときに、「コネで解決してあげる」という怪しい人が必ず出てくるからだ。
たとえば、「輸出貨物がストップされて、このまま輸出ができないと数億円の損害が出る」などの状況であれば、ワラにもすがる思いで「こういう輩に数百万を払ってでも貨物を動かしたい」と考える企業が多くなっても、不思議ではない。
しかし、特にこういう状況の場合には、「コネはほとんど効かない」ことを知っておくべきだ。平時においては、役人とコネがあれば彼らの裁量の範囲内で色々やってもらえる場合もあるが、中央政府の指示で日系企業に対して厳しい措置をとっている場合には、各地域の役人には裁量権はない。
そんな状況にもかかわらず、「コネでなんとかしてあげます」という人がいたら、詐欺の可能性が高い。こういう悪い人たちは、最初にカネを騙し取った後で、「やはりもう少し関係者にカネをばら撒かないとモノが動かせません。モノを動かすためにはさらに数百万が必要です。もし払わなければモノはストップしますが、あなたの責任です」と言ってくる。
こちらはすでに高額のおカネを払っていて、ここで辞めてしまうとそれが無駄になってしまうので、ついつい2回目も払ってしまう。またこういう悪い輩を「詐欺だ」と訴えようにも証拠はないし、自ら裏のルートを使っている手前、あまり堂々と表で争うこともできない。
中国ビジネスを行なう日系企業にとって、しばらく不利な状況は続くだろう。中国でビジネスを営む日本人の身として、日本政府に対して思うことは、「あまり応援は期待しないので、邪魔だけは最小限に留めて欲しい」ということだろうか。