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ブサかわ犬・わさお主演男優賞だワン

 「わさお」の会見に出席した(左から)伊澤柾樹、菊谷節子さん、薬師丸ひろ子、平田満、錦織良成=青森県鰺ケ沢町
 「わさお」の会見に出席した(左から)伊澤柾樹、菊谷節子さん、薬師丸ひろ子、平田満、錦織良成=青森県鰺ケ沢町

 “ブサかわ”(ブサイクでかわいい)秋田犬として人気のわさお(オス3歳)が主演する映画「わさお」(来年3月5日公開)のロケが18日、青森県鰺ケ沢町で公開され、わさおのほか、“W主演”の女優・薬師丸ひろ子(46)らが参加した。自由な“演技”を披露する“主演犬”には、人類以外では初めて映画賞での主演男優賞の呼び声も上がり、薬師丸も「私たちにはまねできない」と太鼓判を押した。

  ◇  ◇

 「どご行ぐのー!わさお」。カメラとは違う方向に暴走する“主演俳優”に、海辺のロケ現場では、飼い主の菊谷節子さん(67)の声が響き渡った。

 わさおは青森・鰺ケ沢町でイカ焼き店を営む菊谷さんに拾われた秋田犬。一昨年春、秋田県には珍しいフサフサの毛並みとつぶらな瞳の“ブサかわ犬”として旅行者のブログに登場して人気に火がつき、100以上のメディアに取り上げられ、公式ブログは毎日1万以上のアクセスを誇る名物犬となった。

 映画「わさお」では、わさおと菊谷さんの出合いから、周囲の人々との交流などを描く。通常は演技の訓練を受けたタレント犬が演じるが、今作ではすべてわさお“本人”が演技。配給の東映によれば「犬が自身を演じる作品は邦画史上初めて。主演に犬がクレジットされるのも初」という。

 撮影はハプニングの連続だ。クランクインの9月30日の白神山地での撮影では、いきなりわさおが失そう。森の中をスタッフ全員で2時間捜索した。集中力がもたないわさおの演技は、1日3時間限定。特に演出はせず、奇跡的に演技する瞬間をひたすら待つ手法を取るため、1日1カットのみのこともあるという。

 それでも、わさおの自由で存在感たっぷりの名演に、関係者の間では「主演男優賞が狙える」との声も上がるほど。過去に数々の映画賞受賞経験のある菊谷さん役の薬師丸も「自由に動くわさおの演技は見る方に訴えるはず。賞というご褒美があればすてき」と太鼓判。日本映画史上で、人類以外が映画賞を受賞した例はなく、獲得すれば途方もない快挙だ。

 さらに“海外デビュー”も確実。映画配給のオファーが、アジア各国から寄せられている。青森の田舎町から世界へ。ブサかわ犬の夢は、ワールドワイドに駆け回る。

(2010年10月19日)

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