【モスクワ田中洋之】ロシアのメドベージェフ大統領は19日、フランス北西部ドービルでサルコジ仏大統領、メルケル独首相と会談した。会談後に会見したメドベージェフ大統領は、11月20日にポルトガルのリスボンで開かれる北大西洋条約機構(NATO)との首脳会議に出席すると表明した。
NATOロシア首脳会議は08年4月に当時のプーチン大統領が出席して開催されて以来。双方は同年8月のグルジア紛争で険悪化した関係の正常化に向けて大きく前進することになる。
メドベージェフ大統領はまた、NATOが欧州本土を対象とするミサイル防衛(MD)計画にロシアの参加を求めていることについて、「(ロシアの役割や運用方法など)提案の内容を検討してから回答する」と述べた。
欧州MDに関しては、NATOがイランからのミサイルの脅威を想定しているのに対し、ロシアはMDにより自国の長距離ミサイルが無力化することを警戒している。
NATOのラスムセン事務総長は19日、メドベージェフ大統領の首脳会議参加について、「政治対話の拡大や相互の安全保障強化のため重要な機会となる」と歓迎する声明を出した。
毎日新聞 2010年10月19日 21時33分(最終更新 10月20日 0時42分)