星野氏「野球がしたい」阪神退団を正式表明

記者会見で阪神退団を表明した星野仙一氏

　阪神でシニアディレクター（ＳＤ）を務める星野仙一氏（６３）が１９日、大阪市内のホテルで記者会見し、退団を正式に表明した。来季監督候補として一本化されている楽天の新監督就任は確実とみられる。

　星野氏は会見で笑みを交えながら「ここ１年、無性に野球がしたい思いが芽生えてきて、やはりわたしは野球人だなと思った」とユニホームを着ることに強い意思を示し、「また甲子園に戻って来ます、日本シリーズで」と話した。今後は楽天と本格的な交渉に入る。楽天監督就任が決まれば、２００８年の北京五輪で日本代表を率いて以来の現場復帰となる。

　星野仙一氏「阪神ファンには本当に大事にしていただいた。その中でのお別れとなるが、出会いがあれば別れもある。世の常。きょうがそのとき。ここ１、２年、無性に野球がしたくなった。新しい人生を突っ走ろうと思っている」

　阪神・坂井信也オーナー「本当に残念な気持ち。球団にとって重要な人で、言うまでもなくいまの阪神の状況があるのは、星野さんの力で持っている」

　阪神・南信男球団社長「本当にありがとうございましたということ。現在のタイガースがあるのは星野さんのおかげ。特に困った時、迷った時に一番頼りになる存在でした。これから心細いという心境です」

　阪神・金本外野手「あの人がいなかったら阪神に来ていない。その意味では寂しいです」

　◆星野　仙一（ほしの・せんいち）１９４７年１月２２日、岡山・倉敷市生まれ。６３歳。倉敷商から明大に進み、６８年ドラフト１位で中日入団。８２年の現役引退まで通算１４６勝（１２１敗３４セーブ）。８７～９１年、９６～０１年まで中日、０２、０３年に阪神の監督を務め、通算３度のリーグ優勝。同年オフに勇退し、オーナー付シニアディレクターに就任。０７年から０８年まで北京五輪日本代表監督。右投右打。