元「ガチンコファイトクラブ」３期生、キャバクラで店員をボコボコに殴り逮捕

　警視庁本所署は１８日、都内の飲食店で店員の顔などを殴り、けがを負わせたとして傷害の疑いで、会社員の加藤善行容疑者（３２）を逮捕した。加藤容疑者は１０年前、アイドルグループ「ＴＯＫＩＯ」が司会を務めるＴＢＳの人気番組「ガチンコ！」で、プロボクサーを育成するコーナー「ファイトクラブ」に「３期生」として出演していた。０１年３月にも加藤容疑者と同じ「３期生」の男が傷害事件を起こして逮捕されている。

　加藤容疑者の逮捕容疑は４月２３日未明、東京都墨田区江東橋２丁目のクラブで、閉店のため退店を促した男性店員（３６）の顔や頭を拳や焼酎のボトルなどで殴り、頭を切るなどのけがを負わせた疑い。同容疑者は「店員を殴ったのは間違いない」と容疑を認めている。

　本所署捜査幹部によると、加藤容疑者は午後１０時ごろ、数人の仲間ととともに入店し、主に焼酎を飲んでいた。閉店時間の午前３時になったため、店員が店を出るよう声をかけると激高。頭部を２回殴り、突き飛ばした後、近くにあった焼酎の瓶で頭を殴った。店員は頭部を打撲するなど、全治３週間のけがを負ったという。

　加藤容疑者は１０年前、「ガチンコ！」番組内の「ガチンコファイトクラブ」コーナーに弟と一緒に「３期生」として出演していた。当時の番組内のプロフィルでは、東京都出身で身長１６５センチ、体重６５キロで、ストリートファイト歴７年を自称。同じ３期生のボクシング経験者にけんかを仕掛けたものの、ボディーへのパンチを２発食らい、もん絶する場面などで“活躍”している。同番組はプロボクシング選手の育成を目的としていたが、同署によると、加藤容疑者はライセンスは持っていないという。

　加藤容疑者と同じ「３期生」として番組に出演していた男（当時２１歳）も、０１年３月に自動車を運転中に「あおっただろう」と因縁をつけ、殴るなどして会社員の男性に全治２週間のけがを負わせた疑いで、宮城県警塩釜署に逮捕されている。被害を受けた会社員はテレビ番組を紹介する雑誌で、男の顔写真とプロフィルを発見、実際に番組を見て「自分を殴った男に間違いない」と確信して同署に相談した。男は番組内で「暴走族総長」を自称していた。

　０２年４月には、同コーナーに出演していた芸能プロダクションアルバイトの男性が友人ら４人と無職男性を殴り、現金１万円を奪った強盗傷害の疑いで山形県警に逮捕され、番組が休止となったこともある。

　◆ガチンコ！　１９９９～２００３年に放送されたＴＢＳ系バラエティー番組。ボクシング元ＷＢＡ世界ミドル級王者・竹原慎二氏の指導によるプロボクサー育成コーナー「ファイトクラブ」が大人気に。１～５期生がおり、数人のプロ選手を輩出。竹原氏と不良生徒が毎回のようにケンカする過剰な演出などから、０２年７月に週刊誌で「やらせ」が報じられた。

（2010年10月19日06時02分スポーツ報知）