中日スポーツ、東京中日スポーツのニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 中日スポーツ > プロ野球 > 紙面から一覧 > 記事

ここから本文

【プロ野球】

ソフトバンク 中継ぎ崩壊

2010年10月19日 紙面から

◇クライマックスシリーズ パ・ファイナルS<第5戦>

◆ロッテ5−2ソフトバンク

 泣いても笑っても杉内にかける。2日連続で胴上げを阻止された夜、取り囲んだ報道陣を前に、秋山監督はまばたきすることなく言い切った。「杉内頼みでいくしかない。明日は最後だし、総力戦でいきましょう」。7年ぶりの日本シリーズ出場をかけたファイナルステージ。エースが中4日で本拠地のマウンドに上がる。

 残り9アウトから必勝継投を粉砕された。6回からファルケンボーグを投入し、ねじ伏せにかかったが、イニングをまたいだ7回に暗転。「早い仕掛け? 最初からそういうイメージでいったから」。プランを遂行した秋山監督に悔いはない。試合後には全体ミーティングを招集。「調子が良いとか悪いとかは関係ない。明日はすべてを出し切ろう」。ナインの意思を統一した。

 2連勝で王手をかけてから2連敗。ロッテに逆王手をかけられた。19日はパ・リーグ最終決戦だ。対するは杉内と同じく中4日の成瀬。初戦は4安打でわずか1点しか奪えなかったが、打線は中軸の小久保と松中がマルチ安打を放つなど、ようやく上向いてきた。

 杉内に託すしかない。先発から先発への中4日登板は、2005年のプレーオフ以来。過酷なマウンドは承知の上。それでも、チーム全員の思いを受け止めた。「まあ、頑張るよ」。短いコメントを残して、球場を後にした。

 その杉内より先に、ロッカールームから姿を現したのは和田だ。第2戦で1失点完投勝利の17勝左腕も緊急スタンバイする。

 秋山監督は明言した。「和田? ベンチに入れるよ。最善の策? あればいいけど。勝たないといけないから」。二枚看板が同一試合にそろって投げれば、シーズンでは03年7月6日のロッテ戦、プレーオフでは04年10月7日の西武戦以来。「心の準備はできています。勝つか負けるしかないし、気持ちの強い方が勝ちます」。和田も腹をくくった。2004年第2ステージでシーズン2位の西武に苦杯をなめて以降、悔し涙は流し尽くした。立ちはだかるCSの壁は、ホークスの底力を結集して真っ正面から打ち破る。 (西口憲一)

 

この記事を印刷する


中日スポーツ 東京中日スポーツ 中日新聞フォトサービス 東京中日スポーツ