楽天が来季新監督候補に挙げている阪神・星野仙一オーナー付シニアディレクター(63)が、19日に阪神球団と自身の去就について会談を持つことが18日、明らかになった。その席上、退団を申し入れるとみられる。監督時代を含めて9年間に及んだタテジマ生活に区切りを入れた上で、20日にも楽天と正式交渉に臨むことになる。
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楽天監督か、それとも阪神残留か‐。注目されていた星野SDの去就が、ついに大きく動き出す。19日に大阪市内で阪神側と自身の今後について話し合いの場を設けることになった。
星野SDは12日に大阪市内で阪神の坂井オーナーと会談した。席上、楽天側との正式交渉を容認する意向を坂井オーナーから伝えられたが、星野SDは明確な意思を示さなかった。もう一度、監督として勝負したい思いと、監督時代を含めて9年間に及んだタテジマへの愛着‐。そのはざまで心が揺れ、この数日間、熟慮を重ねてきた。
だがついに決断を下したもようだ。星野SDは阪神のCSファーストS敗退が決まった17日に関西の民放ラジオ番組の収録に参加。その模様がこの日放送され、楽天から正式オファーが届いた場合、「昨日(17日)で阪神(の今季の戦い)が終わったし、じっくり考えたい」との考えを明かした。関係者の話を総合すると、19日の会談では「阪神退団」を申し入れることが確実視される。
SD職を自ら退く決断を下せば、楽天との交渉を前に「退路」を断つ形になる。阪神との契約関係を解消し、フリーの身分で楽天との交渉の席に着くことは、何事にもしっかりと「筋」を通す星野SDらしくもある。坂井オーナーも常々、「SDの決断は尊重するし、応援する」との考えを示しており、退団の意を伝えられれば、了承することは間違いない情勢だ。
星野SDはこの日、兵庫県内のタイガースゴルフクラブでコンペに参加。楽天監督に就任した際、入閣が検討されている田淵幸一・阪神OB会長も参加しており、公の場では一連の騒動後初めての「ツーショット」となった。阪神側との会談を翌日に控えていることもあり、報道陣に対応することはなく会場を去った。
02年に阪神監督に就任。03年には18年ぶりのリーグ優勝に導いた。そして愛した阪神との別れ‐。阪神退団となれば、「楽天・星野」の誕生に向けて、事態が一気に動き出すことになる。
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