尖閣ビデオ国会提出へ　一般公開は控える方針

尖閣諸島周辺で海上保安庁の巡視船と衝突した中国漁船 Photo By 共同

　政府、民主党は１８日、沖縄県・尖閣諸島周辺で起きた中国漁船衝突事件の状況を撮影したビデオ映像について、衆院予算委員会の求めに応じて国会へ提出する方針を決めた。菅直人首相や岡田克也幹事長が官邸で対応を協議し一致した。ただビデオの公開時期や方法は国会の判断に委ねるとし、事実上の慎重姿勢を維持している。

　公開については今後、予算委理事会で与野党が協議する見通し。民主党は日中関係への影響を考慮し、与野党理事ら一部議員への公開に限定した上で、一般公開は控える方向で調整する考えだ。

　衆院予算委は１３日、国政調査権に基づき、ビデオの提出を那覇地検に求める議決を採択。政府としては「捜査中の事件の証拠品」であることなどを理由に提出を拒否する選択肢もあったが、政府の事件対応に関する批判を強めることになりかねないとの懸念から、提出の結論に至った。

[ 2010年10月19日 ]