純白の超ミニスカートにハイソックス、当時ポックリ靴と呼ばれた約7センチの厚底シューズ。デビュー当時のアグネスとうり二つのローラによって、1972年に日本中の男子をとりこにした「ひなげしの花」が38年ぶりによみがえった。
♪おっかのうえ〜 ひっなげしの花で〜
約60人の報道陣のフラッシュが瞬く中、ローラはアグネスばりの伸びのある歌声を披露したが、「緊張してます」とガチガチの表情。そんな彼女にピタリと寄り添い聴いていたアグネスは、「かわいいから大丈夫。リラックス」とアイドル時代と変わらぬ優しい笑顔でフォローした。
ローラはCDデビューするにあたり、日本で大成功した憧れの先輩、アグネスのデビュー曲「ひなげしの花」をぜひカバーしたいと手紙で依頼。これを快諾したアグネスが、歌い方や振り付け指導など、ローラを当時のアグネスになるよう完全プロデュースした。
ローラは浙江省の省都・杭州、アグネスは香港の出身。杭州は上海語圏、香港は広東語圏と言語が異なるが、ローラの所属事務所によると「ローラは上海語が話せないので、アグネスとは日本語と(中国の共通語の)北京語で会話しています」と説明。2人は32歳差と母娘ほどの関係だが、今では「チャン先輩」「チャン後輩」と呼びあう仲良しコンビだ。
公開収録の最後、アグネスは後輩の活躍を祈り「アイドル5カ条」〔1〕いつも笑顔で〔2〕ヌード禁止〔3〕男子禁制〔4〕ファンを大切に〔5〕無我夢中で−を伝授。ローラは「男子禁制」について「彼氏がいないと、女性ホルモンがなくなっちゃわないですか」と悲しげな表情を浮かべた。
アグネスは「あなたの年だと減らしたくても減らないの」と苦笑し、「アイドルは片思いをしているときの表情が、一番かわいいの。私はテレビ局のディレクターさんに片思いしてました。今はファンを大切にしなきゃ」としみじみ。70年代に清純派トップアイドルとして君臨したアグネスの“帝王学”に、ローラも納得の表情だった。