2010年10月20日0時0分
靴下を出す習近平氏
【北京=坂尻信義】中国の次期最高指導者になることが確実になった習近平(シー・チンピン)国家副主席は、高級幹部の子弟「太子党」でありながら、苦労して出世を遂げた庶民派でもある。その一面を見せた、と話題になったのが、第17回党大会さなかの2007年10月のことだった。北京の人民大会堂であった上海市の分科会の間中、短めのズボンのすそから黒い靴下と素肌をのぞかせた。背広は国産の大手メーカー製が好みとされ、着こなしのセンスが光るタイプが多い他の太子党との違いが際だった。
当時は上海市党委書記。次世代指導者として注目され、100人以上の報道陣が押し寄せていた。党を揺るがす汚職事件で更迭された前任者の後釜に座り、ストレスからか一段と太っていた時期だった。この5日後、政治局常務委員に抜擢(ばってき)された。