東証:一時9000円割れ 1年3カ月ぶり

2010年8月24日 9時42分 更新:8月24日 13時5分

9000円を割った日経平均を表示する株価ボード=東京都中央区で2010年8月24日午前10時53分、武市公孝撮影
9000円を割った日経平均を表示する株価ボード=東京都中央区で2010年8月24日午前10時53分、武市公孝撮影

 24日の東京株式市場は、世界的な景気減速懸念や、一時1ドル=84円台まで円高が進んだことを受けて幅広い銘柄が売られ、日経平均株価は一時、前日終値比133円17銭安の8983円52銭まで下落。取引時間中としては昨年5月18日以来、約1年3カ月ぶりに9000円を割り込んだ。市場では、政府・日銀が具体的な経済対策や円高対策を打ち出さないことへの失望といら立ちが高まっており、早期の対策を催促する展開になっている。

 その後は買い戻しが入ってやや値を戻し、午後0時40分現在の日経平均株価は同47円58銭安の9069円11銭。東証株価指数(TOPIX)は同3.41ポイント安の821.38。

 前日の米ニューヨーク株式市場のダウ工業株30種平均株価が3営業日続落した流れを引き継ぎ、取引開始直後から売りが先行した。さらに、欧州の金融緩和の長期化観測や、米経済の減速懸念から、24日の東京外国為替市場では円買いが加速。対ドルでは一時1ドル=84円台に突入し、対ユーロでも1ユーロ=107円台の円高水準となった。輸出企業の採算悪化懸念から、ソニー、キヤノンなど輸出関連銘柄が売られ、東芝、NEC、シャープ、TDKなどが年初来安値を更新した。株価低迷を受け、証券会社など金融株も下落した。

 市場では、政府・日銀が早期に円高対策や経済対策を打ち出すことを求める声が強いが、23日の菅直人首相と日銀の白川方明総裁の電話協議では、具体的な対策は示されなかった。このため、「世界的に景気減速懸念が広がっているのに、日本の円高対策不在は深刻。政策を打ち出さなければ株安がさらに進み、長期化する恐れもある」(野村証券の佐藤雅彦マーケットアナリスト)との厳しい見方が出ている。【田所柳子】

top
文字サイズ変更
この記事を印刷

PR情報

アーカイブ一覧

 

おすすめ情報

注目ブランド