民主代表選:カギ握る鳩山前首相 菅首相も近く会談へ

2010年8月24日 21時41分 更新:8月24日 22時11分

鳩山由紀夫前首相=東京都千代田区の民主党本部で2010年7月13日、藤井太郎撮影
鳩山由紀夫前首相=東京都千代田区の民主党本部で2010年7月13日、藤井太郎撮影

 民主党代表選(9月1日告示、同14日投開票)をめぐり、菅直人首相は24日夜「近いうちに鳩山由紀夫前首相と話してみたい」と述べ、近く会談する考えを示した。鳩山氏は26日から29日までロシアを訪問する予定があるため、会談時期が焦点になりそうだ。首相と小沢一郎前幹事長の神経戦が高まるなか、鳩山氏の動向は情勢のカギを握るとみられており、駆け引きが激化している。

 首相の発言は鳩山氏が23日、首相と小沢氏の会談を仲介する考えを示したことを受けたもの。ただ首相は小沢氏との会談については「まずは鳩山前首相と直接話したい」と述べるにとどめた。首相が鳩山氏との会談を求めるのは、首相の条件付き支持を表明している鳩山氏の「条件」に応え、再選の流れを作りたい思惑からだ。

 鳩山氏は19日に長野県軽井沢町で開いた研修会に小沢氏を招き、首相側は危機感を高めた。鳩山氏は23日夜のテレビ出演では、自身が首相時代に掲げた「新しい公共」の理念や地域主権改革などの政策について「菅内閣がどれだけ重視するのか見極めたい。本気でどこまでやってくれるのかまだ見えてこないのが気がかりだ」と注文を付けた。

 首相の反応は早かった。24日の新人議員との懇談会で「前政権から非常にいろいろなものを受け継いだ」と発言。新人議員から「鳩山前政権より地域主権の発信が乏しい」と指摘されると「地域主権はものすごくやりたい」と強調した。首相は「新しい公共も含めて公共のあり方も問われる」とも述べ、鳩山氏の注文に応えてみせた。

 また、鳩山氏は首相に挙党態勢を構築するよう促してもいる。鳩山氏周辺は「菅首相と小沢氏の間に自分が入らないと民主党が壊れてしまうという思いがある」と解説する。だが、首相がどこまで挙党態勢の求めに応えるかは明確ではない。

 これに対し、小沢氏は24日、東京都内の個人事務所で桜井充参院政審会長と会談した。小沢氏は「せっかく政権交代をしたのにこのままでは国民の信頼を裏切ってしまう」と述べ、菅首相の政権運営を批判した。【朝日弘行、横田愛】

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