米国:カーター元大統領訪朝へ 米国人解放交渉で 米誌

2010年8月24日 11時14分 更新:8月24日 13時42分

 【ワシントン草野和彦】米外交専門誌「フォーリン・ポリシー」(電子版)は23日、北朝鮮に拘束されている米国人男性の解放交渉のため、カーター元大統領が訪朝すると伝えた。AP通信は24日に出発する見通しと報じた。カーター氏は94年に訪朝し、故金日成(キム・イルソン)主席と会談。その後、米朝協議が再開したことがあるが、今回は民間人の立場で、人道目的に限った訪朝という。

 米国人男性はアイジャロン・マリ・ゴメス氏(31)で今年1月、北朝鮮に不法入国したとして拘束され、8年の労働教化刑を言い渡された。国務省当局者と医師が今月9~11日に訪朝し、面会して健康状態を確認するとともに解放を求めたが、北朝鮮側が拒否した。

 クローリー国務次官補(広報担当)は16日、解放に向けて「北朝鮮と協議を続ける」と述べており、その後、カーター氏訪朝で米朝が折り合いを付けた可能性がある。

 米朝間では昨年8月、クリントン元大統領が訪朝し、北朝鮮に拘束された米国人の女性記者2人の解放交渉が成立した経緯がある。

 北朝鮮による韓国哨戒艦沈没事件以降、6カ国協議再開を巡る動きは停滞している。だが、米マンスフィールド財団のゴードン・フレーク所長は「クリントン氏訪朝と同様、今回も人道目的のみ。オバマ政権は現在、核問題での急展開は求めていない」として、カーター氏訪朝に政治的な意図はないと分析している。

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