潜水艦:建造で初めて指名競争入札 川崎造船が落札

2010年8月24日 2時30分 更新:8月24日 2時51分

海上自衛隊の潜水艦「そうりゅう」=広島県呉市昭和町で2009年4月、牧正撮影
海上自衛隊の潜水艦「そうりゅう」=広島県呉市昭和町で2009年4月、牧正撮影

 防衛省が10年度発注した潜水艦の船体建造で、初めて指名競争入札が実施され、川崎造船が309億7500万円で落札、23日に契約していたことが分かった。国内で建造能力があるのは同社と三菱重工業だけで、77年度から08年度までは両社が毎年交代で1隻ずつ受注してきたが、同省が09年度発注を見送ったため、初めて業者間の受注競争となった。

 防衛省によると、76年に初めて策定した防衛計画の大綱に基づき、海上自衛隊の潜水艦は計16隻。毎年、最も古い1隻が退役し、1隻が就役するサイクルで、発注も各年度1隻ペースだった。契約から引き渡しまで約4年、うちドック(船台)での建造に1年以上が必要で、連年の受注はドックの収容能力の問題などもあり、これまではどちらか1社と随意契約を結んできた。

 だが、同省は09年度、「退役艦がなく、新規発注の必要がない」として発注を見送り、「順番」の川崎造船は受注できなかった。10年度の潜水艦建造予算は約528億円で、今春に公募した結果、両社とも応募。長期間受注しないと技術者の流出にもつながりかねないと注目された。

 今回、技術審査を経て、今月上旬に両社による指名競争入札を実施。契約額は、随契だった08年度より2億8770万円低かった。船体以外のエンジンや搭載する武器の製造費などは別途契約する方針。【樋岡徹也】

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