兵庫のたこフェリー運航休止　１１月から、全社員解雇へ

　兵庫県明石市と淡路島を結ぶフェリーを運航する第三セクター「明石淡路フェリー」（明石市、愛称・たこフェリー）は１５日、経営悪化のため１１月１６日から運航を休止し、社員約７０人を全員解雇すると発表した。

　市などは同じ航路で旅客船を運航する「淡路ジェノバライン」（同県淡路市）に経営参画を要請しており、同社と協議し新体制での運航再開を目指す。

　明石市によると、淡路ジェノバラインが１４日の協議で、現在約４千万円ある明石淡路フェリーの負債解消が交渉の前提との姿勢を示したため、休止を決断した。明石淡路フェリーは既に１隻を海外に売却し、残る１隻も手放す方針。

　明石海峡大橋を含む高速道路料金値下げの影響で、２００７年度には約１０億円あった収入が０９年度には約４億８千万円にまで落ち込んだ。明石淡路フェリーの大麻一秀社長は「これ以上は民間企業の努力ではどうにもならない」と話した。