政府は、尖閣諸島沖で起きた中国漁船による衝突事件で、検察が中国人船長の釈放の理由として日中関係への考慮もあげていることについて、「検察官は、処分を判断するにあたって、国際関係への影響などについても考慮することができる」とする答弁書を閣議決定しました。
尖閣諸島沖で起きた中国漁船による衝突事件で、那覇地方検察庁は、先月24日、中国人船長を、「日中関係を考慮すると、これ以上、身柄を拘束して捜査を継続することは相当でない」などとして、処分保留のまま釈放しました。これについて、自民党の高市早苗衆議院議員が「検察官には、外交にかかわる政治的判断を行う権限や責任があるのか」として、判断の根拠を示すよう、質問主意書を提出しました。これに対し、政府は19日の閣議で、「刑事訴訟法は『犯罪後の情況により訴追を必要としないときは、公訴を提起しないことができる』と規定している。検察官は、法と証拠に基づき、被疑者の身柄拘束を含む刑事事件の処分を判断するにあたって、国際関係への影響などについても犯罪後の情況として考慮することができる」とする答弁書を決定しました。