ノーベル平和賞、中国で服役中の劉暁波氏にノーベル平和賞受賞が決まった劉暁波氏=ロイター
劉暁波氏の自宅前に詰めかけた各国メディアら(北京で)=青山謙太郎撮影
自ら撮影した劉暁波氏の写真を手に、北京で記者会見する妻の劉霞さん(6日、関泰晴撮影)
【オスロ=大内佐紀】ノルウェーのノーベル賞委員会は8日、2010年のノーベル平和賞を、「中国における人権のため、長年にわたり非暴力的闘争を行っている功績」があったとして、中国で服役中の民主活動家・ 1989年の天安門事件後、中国国内で共産党一党独裁を批判し、民主化を要求し続けてきた同氏への授与は、同委として、中国に対し、政治改革を強く求めたことを意味する。国際社会では劉氏釈放を求める声が高まっている。 同委のトールビョルン・ヤーグラン委員長は記者会見で、「中国は新しい地位に見合った責任を果たさねばならない」と、「責任ある大国」としての行動を促した上で、「中国は多くの国際協定や政治の自由を認めた自国の憲法にさえ違反している」と言論や集会の自由を認めた中国憲法第35条を引き合いに出した。 一方、中国政府から、劉氏に授与しないよう事前に圧力をかけられたことを確認し、不快感を表明した。 委員長は、劉氏を「中国内外における、人権への闘争のシンボル」とたたえた。 同委は、共産党政権が民主化運動を武力弾圧した天安門事件が起きた89年には、チベット仏教最高指導者で、インドに亡命中のダライ・ラマ14世に同賞を授与した。 文学者で詩人でもある劉氏は、同事件当時の民主化運動に身を投じた後、繰り返し投獄された。北京五輪が開かれた2008年、インターネットを通じて世界に大きな反響を呼んだ「08憲章」の起草で中心的な役割を果たした。 「社会主義制度の打倒を企てた」などとして、09年に逮捕され、今年2月に国家政権転覆扇動罪で懲役11年の判決が確定、現在、東北部・遼寧省内の刑務所で服役している。 劉氏の妻、劉霞さん(49)は受賞決定に先立つ6日、自宅のある北京で、本紙などに対し、「中国政府は夫のペンの力を恐れ、自分たちが権力を失うことを怖がっている」と述べた。 授賞式はノーベルの命日にあたる12月10日にオスロ市庁舎で開かれる。委員長によると、劉氏はおろか妻の霞さんにも連絡が取れない状況になっている。劉氏は自らの受賞を知らされていないとみられる。賞金は1000万スウェーデン・クローナ(約1億2400万円)。 (2010年10月9日01時42分 読売新聞)
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