2010/10/1 金曜日

「ポケットモンスターブラック・ホワイト」のつくりかた 1

category: ポケモン

こんにちは、Web担当のにょろリカです。
早いものでもう10月、
「ポケットモンスターブラック・ホワイト」発売から12日が経ちました。
みなさんはジムバッジを何個ゲットしましたか?
私は先週、8個目のバッジをゲットし、そのままクリアまでこぎつけました!

さて、今回から9週に渡って、「ポケットモンスターブラック・ホワイト」の
開発に携わったスタッフへのインタビューを掲載していきたいと思います。
第1回目の今日は、プログラマーの「ともやん」から
プログラミングにまつわるアレコレを聞き出してみました!

—–
―それでは、まずはじめに自己紹介をお願いします。

こんにちは、プログラマーのともやんです。
「ポケットモンスターブラック・ホワイト」では、フィールドの開発を担当しました。
フィールド開発の中でも、主に「レール移動」という部分と、
ホワイトフォレスト、ブラックシティ、フィールドの表現…例えば
ライティングやアニメーションのプログラミングをしました。

―「レール移動」というのは、エンドロールのスタッフリストにある
 「レールシステムプログラム」のことですよね?
 これってゲームのどの部分なのでしょう?

「レール移動」は、スカイアローブリッジやヒウンシティ、チャンピオンロードの
ような「まっすぐじゃない道」のことです。十字キーの上ボタンを押しているだけで、
視点がぐるっと回転する道。
「レール」というだけあって、一方向のボタンを押しているだけで、電車がレールに
乗って走るような動きをします。タワーオブヘブンも「レール移動」ですね。

―十字キーの上ボタンを押しているのに主人公が斜め上向きに動くので、
最初はびっくりしました!
自分がどう操作をしているのか分からなくなってしまい、主人公が
あっちこっちに行ってしまったり(笑)。すぐに慣れましたが。
今回、ともやんはいくつか担当していますが、特に思い出深かったところは
どこでしょうか?

やっぱり「レール移動」ですね。
今までなかった動きじゃないですか。
今までは「前ボタン」を押すと前にしか進まない。
それまでのポケモンでは、ゲームの中で「前」へ進む=「奥」に進む
ことだったのに、「回転する」という動きが入るので、ユーザーの方は
最初のうちはちょっと戸惑うかもしれませんよね。
それで、「グリッド移動」と「レール移動」の区切りが分からないように
滑らかに動かすにはどうしたらいいんだろう?というところを
ずっと考えていました。
グリッドとレールをキレイに繋げて、ユーザーの方の操作感が
変わらないように作るにはどうしたらいいかな?って。

ちなみに、「グリッド移動」というのは、ゲームのマップ全体を一定サイズの
マス目で区切って、それを一歩にカウントするやり方です。
チェスを想像してもらうと分かりやすいかも。
「グリッド移動」は上下左右の4方向しかありません。
それに対して、「レール移動」は回転するので、色々な動きが実現できる。
斜め上に進むとか。

全体に関わる部分では、一番苦労したのは「処理落ち」です。
処理落ちというのは簡単にいうと、本来あるべき速度での動きや表示が
できなくなってしまう状態です。
今回は、街を歩いているときに主人公の動きがスローモーションになって
しまうという現象が発生して、それが開発終了近くまで解消できなかったんです。
プログラム的な話しになるけど、そのときは、表示の制限をかけたり、
データのサイズを落としてみたり、表示の方式を変えたり、細かいところを
たくさん微調整して解消しました。

―今はとても滑らかに動いていますよね。
 「グリッド」と「レール」も、「主人公の動き方が違うぞ!?」とは思いましたが、
 つなぎ目が不自然とかはまったく感じませんでした。
 「ポケットモンスターブラック・ホワイト」をリリースした今、ともやんの
 「次なる野望!!」みたいなものがあれば、ぜひ聞かせて欲しいのですが。

今後は、「自分のゲーム」を作りたいですね。企画から自分が立てて、
プログラムを組んで。
僕は自然が大好きなので、そのあたりを取り入れたソフトを作りたいなーと
思っています。
企画も考えていますよ。詳しいことはまだ言えませんが(笑)。

―プログラマーが企画するゲームがどんなものになるのかが気になります!
 最後になりますが、「ポケットモンスターブラック・ホワイト」で、ともやんが
 「ココに注目して欲しい!」と思うところを教えてください。

「ポケットモンスターブラック・ホワイト」は色々な視点から街を見ることが
できるようになったので、今までと違う視点から見た景色を楽しんでください。
それが「レール移動」です!(笑)

以上、ともやんでした!
—–

いかがでしたでしょうか。
今後もプランナーやグラフィックデザイナーへインタビューをしていきますので、
どうぞお楽しみに!

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