市民団体「みんなの宮下公園をナイキ化計画から守る会」などの反対で改修工事の着工が見合わされている渋谷区立宮下公園(同区神宮前6)。区は24日、公園内に「守る会」らが設置したテントなどを撤去するため、行政代執行に踏み切ったが大きな混乱はなかった。一方、「守る会」は同日会見し、代執行の実施に対し、強く抗議した。【神足俊輔】
同日午前10時、日置康正・区土木部長が公園内で執行を宣言し、区職員らによりテントやテーブルの撤去が始まった。区は執行に先立ち15日に同公園に9カ所ある出入り口を封鎖していた。作業は午後3時20分に終了し、約80件の違法占用物が運び出されたという。公園入り口には「守る会」メンバーら約20人が座り込んで抗議活動を行った。
同公園の改修は、区がスポーツメーカー「ナイキ」に命名権を年間1700万円で売却(10年契約)、名称を「宮下NIKEパーク」とし、ナイキ側が改修費を負担する計画。4月に着工する予定だった。
「守る会」や同公園で生活していたという路上生活者の男性2人らは24日午後、東京・霞が関の司法クラブで会見した。「守る会」メンバーの植松青児さん(50)は「納得がいかない。工事中止、計画の凍結、議論のやり直しが必要だ」と、代執行に対し怒りを表した。
「守る会」などは執行命令書の通知は無効などとして、東京地裁に通知の取り消しを求める訴えを22日に起こしているが、代執行が実施されたことから却下される可能性が高いという。
〔都内版〕
毎日新聞 2010年9月25日 地方版