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500円の夢
〜DVDを取り巻くヒトビト〜

1.ワンコインが団塊世代を魅了

2.生き残りかけソフト探し

3.著作権料の壁乗りこえ「おそ松くん」発売


2.生き残りかけソフト探し


【オリジナル作品求め世界へ足運び】

 パブリックドメインの市場開放で注目を浴びた500円DVD。そして、2匹目のドジョウを狙う業者は雨後のタケノコのように出現し続ける。群雄割拠の中、意外な経歴を持つ業界の先駆者の次なる一手とは。

 「500円DVDは、うちが一早くやり出したと言っていい」

 こう語るのはコスミック出版(東京都文京区)の岡田武生会長(62)。今では数多くの業者が参入する500円DVD市場だが、同社は業界の草分け的存在だ。

 「(PDに)20年くらい前から目を付けていたが、DVDの製造原価が1枚200円から50円に下がったことが大きかった」

 同社では今までに221タイトルを発売、700万本を売り上げた。売り上げベスト3は「シャレード」「カサブランカ」「第三の男」と、売れ筋はPDとなった名作洋画が中心だ。

 だが、市場が確立し、業者も乱立する今となっては、PD洋画も飽和状態となった。岡田会長は「PDは市場に出尽くしている。今後は他社との差別化が必要となる」と危機感を募らせる。

 対策のひとつとして取り組んでいるのが、オリジナル作品の追求だ。80−90年代のビデオ映画(劇場未公開作品)やインディーズ映画の版権を買い取り、オリジナル作品として発売。作品の買い付けのため、毎年米国や欧州各国で開催されるフィルムマーケットに会長自ら足を運ぶ。

 「安かろう悪かろうではダメ」。クオリティーを第一に考え、一昨年はサンタモニカ、昨年はカンヌまで“金脈”探しの旅に出た。

 同社の強みは、出版社として書店とのつながりもある点だ。

 「格安DVDの販売ルートはおもに、(1)駅コンコース(2)レコードショップ(3)高速のサービスエリア(4)書店−の4つ。各業者は独自の販売ルートを持つが、中でも書店での棚売りができると強い」(業界関係者)

 出版社としては約30年の歴史を持つ同社。神秘・オカルトブームの火付け役となった雑誌がベストセラーになるなど独自の路線を歩む出版社としてその名を知られた。

 加えて、早くから映像分野へも進出し、今では一般的になったセルビデオの制作販売を開始。アニメやファンタジー物を中心に自主製作作品を数多くリリースし、中でも「アイドルのイメージビデオは人気があった」(同)という。

 そのラインアップは故堀江しのぶさんや細川ふみえさん(35)など、80−90年代に活躍したメンツがズラリ。今では武豊騎手(38)の妻となった佐野量子さん(38)の名前も…。

 そんな“勝ち組”も15年前に出版不況のあおりを受け、倒産の憂き目に遭ったことも。今ではこの業界では最大手にまで成長した。だが、岡田会長に慢心はない。

 「これからは戦争ドキュメンタリーやスポーツ物にも力を入れていきたい」

 一度は挫折した人生。ワンコインの夢をつかみ、再び輝き始めた=つづく



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