田代まさしさん再び薬物逮捕の驚愕(1/2)
創 10月15日(金)19時38分配信
マーシーこと田代まさしさんが薬物事件で逮捕された。
彼の薬物依存との闘いを約10年間追ってきた本誌にとっても驚くべき事態だ。この間の経緯を改めて振り返っておこう。
◆予想外に長引く接見禁止措置◆
本稿を執筆している9月27日現在、残念なことに田代まさしさんの接見禁止は解けていない。逮捕後の手記は本誌で発表してもらおうと意思確認も行ったが、接見禁止の現状では物理的に困難だ。
既に弁護人による接見は4回行われている。薬物事件でこんなに接見は行われないのが普通だが、田代さんが精神的に落ち込んでいることは明らかだし、万が一自殺など考えては、と心配してのことだ。
その弁護人は前回2004年の事件の時と同じ弁護士だ(前回の裁判で私は証人として出廷した)。最初、18日に別の当番弁護士が接見したらしいが、その夜、妹さんからの依頼で接見したこの弁護士を、田代さんは選任した。
接見禁止が予想外に長くなっているのは、一緒に逮捕された女性の自宅から大量の薬物と100本ほどの注射器が押収されたためだ。数百回分の使用量と言われ、どういう経緯でそんなに大量の薬物が購入されたのか、警察はその入手経路も含めて捜査を続けているという。
恐らく次号で田代さん本人の手記を掲載できると思うが、いまだに接見ができていない現状では、今回は弁ない。本人周辺といっても、私もその一人だ。最近は田代さんと会う機会も減ったとはいえ、前回の逮捕時と、出所して以降の2年3カ月、田代さんにはかなりの密度で関わってきた。田代さんは昨年、弊社から『審判』という本も上梓している。
私は田代さん以外にも、薬物依存の様々なケースをこの間、見聞きしてきた。三田佳子さんの二男とは今でもつきあっているし、元オリンピック体操選手・岡崎(旧姓)聡子さん(服役中)とは今も手紙のやりとりを行っている。だから、依存症の克服が簡単ではないことは理解しているつもりだった。でも、それにしても今回の逮捕には驚いた。
本誌でもレポートしてきたように、田代さんは一緒に暮らしている妹さんを始め、彼の社会復帰をサポートする大勢の友人知人に囲まれていた。地上波のテレビへの復帰は無理としても、この1年ほどは、ライブはもちろん、ネットやCS放送への出演も増え、仕事内容も以前の芸能活動と同じようなものが増えていた。薬物依存から社会復帰するのは並大抵の苦労ではないのだが、田代さんの場合は、この2年余で環境はかなり改善されつつあったと言ってよい。
だからこそ、今回の逮捕を知った時には絶句した。まさか田代さんがまた薬物に手を染めてい今思い返せば、と様々な指摘をする人もいるが、妹さんと同居していたし、ひとりになる時間はそんなになかったから、そう簡単に薬物に手を出せる環境ではなかったはずなのだ。
それゆえにこそ、薬物依存の恐ろしさが身にしみる。今度手を出したら再起不能だと周囲も本人も考えていたし、常に誰かが傍にいるという環境だったにもかかわらず手を出してしまうというのは、理解を超えた事態といってよい。しかも、この夏には『帰ってこいマーシー』(リーダーズノート出版)という、田代さんの復帰を応援する本まで出版されていた。その直後に再び逮捕というのは、誰にも想定できない事態だった。
◆衝撃的だった逮捕直後の表情◆
田代さん逮捕の事実を知ったのは9月16日の朝、フジテレビの「とくダネ!」を見てだった。前田忠明さんが「僕もまさかと思ってこの本に協力したんですよ」と、『帰ってこいマーシー』を手に怒っていた。聞けば、その日の午前2時頃、横浜の赤レンガパークの駐車場に車を停めていた田代さんと女性が、警察の職務質問にあって、薬物所持の疑いで現行犯逮捕されたのだという。
最初は信じられず、すぐに田代さんの妹さんにメールを打った。ただちょうどその日、知人が大きな手術を行うために二人の妹さんは病院に行っており、午後になるまで連絡はとれなかった。
そうするうちに次々と本誌編集部や私の携帯電話にコメント取材の依頼が入ってきた。その日は予定がびっしり入っていたため、テレビの取材は断ったが、スポーツ紙などの電話取材には応じた。
田代さんは2004年9月の逮捕の時も車に乗っていたところを職務質問された。今回の逮捕についても、偶然にしては出来すぎている、内偵捜査がなされていたのではないか、という声もある。
真相はわからない。ただ、どうも職務質が偶然なされたとしてもおかしくない状況ではあったらしい。というのも、11月に海外の要人を招いてAPEC(アジア太平洋経済協力会議)が横浜で開催されることになっており、現地は厳重なテロ対策の警備態勢が敷かれ、逮捕現場の駐車場では、日中から職務質問がなされていたという。まして夜中に車を停めて中に男女がいるというのでは、警戒網にかかるのも無理はなかった。
実際、横浜には全国の警察から応援部隊が来ていたようで、田代さんに職務質問を行ったのは福岡県警の警察官だった。名前と職業を訊かれ、身分証の提示を求められて田代さんは保険証を示したというが、そこに書かれた名前を見て、警察官も田代さんであることがわかったという。
そして身体検査を受けた結果、ズボンと下着の間に入れていた袋からコカインが発見された。同乗していた女性からも覚せい剤が見つかり、2人とも麻薬取締法違反容疑で逮捕されたのだった。報道では、コカインが見つかった時、田代さんは自分が使用するために持っていたことを認め、女性は自分が渡したと言ったという。女性が田代さんをかばったかのように思えるシチュエーションなのだが、実際はそうでなく、女性は田代さんに頼まれて入手し、自分が渡したと述べたということのようだ。
2人は最初、神奈川県警水上署にて逮捕され、女性はそのままそこに留置されたが、田代さんはそこから神奈川県警本部の留置場に移送された。マスコミで一斉に報道された田代さんの憔悴しきった映像は、この時に撮影されたものだ。
田代さんのこの激やせ映像には驚いた人も多いだろう。激やせ自体は、本誌でも報じた5月の胆のう摘出手術によるものだ。手術後、しばらく油分は控えるように言われたこともあって、田代さんはあまり食事をとらなくなった。
ただ、この1〜2カ月、さらにように見え、薬物の影響も否定はできないという人もいる。私も7月29日、『帰ってこいマーシー』発売記念会見で会った時に「またやせました?」と訊いた。本人は「そんなことはないよ」と否定していたが。
公開された逮捕後の写真は激やせに加えて本人の憔悴しきった表情が強い印象を与えたのだと思う。妹さんもテレビでその映像を見て「昨日までの兄と別人のようだ」と述べていた。田代さんの精神的ショックがあの表情に表れていたのだろう。
『フライデー』10月8日号では、髪の薄いのもコカインの幻覚症状によって田代さんが「頭髪を掻きむしっていた」せいだという精神科医のコメントを載せていた。でも、これは幾らなんでも考えすぎではないかと思う。
(続く)
彼の薬物依存との闘いを約10年間追ってきた本誌にとっても驚くべき事態だ。この間の経緯を改めて振り返っておこう。
◆予想外に長引く接見禁止措置◆
本稿を執筆している9月27日現在、残念なことに田代まさしさんの接見禁止は解けていない。逮捕後の手記は本誌で発表してもらおうと意思確認も行ったが、接見禁止の現状では物理的に困難だ。
既に弁護人による接見は4回行われている。薬物事件でこんなに接見は行われないのが普通だが、田代さんが精神的に落ち込んでいることは明らかだし、万が一自殺など考えては、と心配してのことだ。
その弁護人は前回2004年の事件の時と同じ弁護士だ(前回の裁判で私は証人として出廷した)。最初、18日に別の当番弁護士が接見したらしいが、その夜、妹さんからの依頼で接見したこの弁護士を、田代さんは選任した。
接見禁止が予想外に長くなっているのは、一緒に逮捕された女性の自宅から大量の薬物と100本ほどの注射器が押収されたためだ。数百回分の使用量と言われ、どういう経緯でそんなに大量の薬物が購入されたのか、警察はその入手経路も含めて捜査を続けているという。
恐らく次号で田代さん本人の手記を掲載できると思うが、いまだに接見ができていない現状では、今回は弁ない。本人周辺といっても、私もその一人だ。最近は田代さんと会う機会も減ったとはいえ、前回の逮捕時と、出所して以降の2年3カ月、田代さんにはかなりの密度で関わってきた。田代さんは昨年、弊社から『審判』という本も上梓している。
私は田代さん以外にも、薬物依存の様々なケースをこの間、見聞きしてきた。三田佳子さんの二男とは今でもつきあっているし、元オリンピック体操選手・岡崎(旧姓)聡子さん(服役中)とは今も手紙のやりとりを行っている。だから、依存症の克服が簡単ではないことは理解しているつもりだった。でも、それにしても今回の逮捕には驚いた。
本誌でもレポートしてきたように、田代さんは一緒に暮らしている妹さんを始め、彼の社会復帰をサポートする大勢の友人知人に囲まれていた。地上波のテレビへの復帰は無理としても、この1年ほどは、ライブはもちろん、ネットやCS放送への出演も増え、仕事内容も以前の芸能活動と同じようなものが増えていた。薬物依存から社会復帰するのは並大抵の苦労ではないのだが、田代さんの場合は、この2年余で環境はかなり改善されつつあったと言ってよい。
だからこそ、今回の逮捕を知った時には絶句した。まさか田代さんがまた薬物に手を染めてい今思い返せば、と様々な指摘をする人もいるが、妹さんと同居していたし、ひとりになる時間はそんなになかったから、そう簡単に薬物に手を出せる環境ではなかったはずなのだ。
それゆえにこそ、薬物依存の恐ろしさが身にしみる。今度手を出したら再起不能だと周囲も本人も考えていたし、常に誰かが傍にいるという環境だったにもかかわらず手を出してしまうというのは、理解を超えた事態といってよい。しかも、この夏には『帰ってこいマーシー』(リーダーズノート出版)という、田代さんの復帰を応援する本まで出版されていた。その直後に再び逮捕というのは、誰にも想定できない事態だった。
◆衝撃的だった逮捕直後の表情◆
田代さん逮捕の事実を知ったのは9月16日の朝、フジテレビの「とくダネ!」を見てだった。前田忠明さんが「僕もまさかと思ってこの本に協力したんですよ」と、『帰ってこいマーシー』を手に怒っていた。聞けば、その日の午前2時頃、横浜の赤レンガパークの駐車場に車を停めていた田代さんと女性が、警察の職務質問にあって、薬物所持の疑いで現行犯逮捕されたのだという。
最初は信じられず、すぐに田代さんの妹さんにメールを打った。ただちょうどその日、知人が大きな手術を行うために二人の妹さんは病院に行っており、午後になるまで連絡はとれなかった。
そうするうちに次々と本誌編集部や私の携帯電話にコメント取材の依頼が入ってきた。その日は予定がびっしり入っていたため、テレビの取材は断ったが、スポーツ紙などの電話取材には応じた。
田代さんは2004年9月の逮捕の時も車に乗っていたところを職務質問された。今回の逮捕についても、偶然にしては出来すぎている、内偵捜査がなされていたのではないか、という声もある。
真相はわからない。ただ、どうも職務質が偶然なされたとしてもおかしくない状況ではあったらしい。というのも、11月に海外の要人を招いてAPEC(アジア太平洋経済協力会議)が横浜で開催されることになっており、現地は厳重なテロ対策の警備態勢が敷かれ、逮捕現場の駐車場では、日中から職務質問がなされていたという。まして夜中に車を停めて中に男女がいるというのでは、警戒網にかかるのも無理はなかった。
実際、横浜には全国の警察から応援部隊が来ていたようで、田代さんに職務質問を行ったのは福岡県警の警察官だった。名前と職業を訊かれ、身分証の提示を求められて田代さんは保険証を示したというが、そこに書かれた名前を見て、警察官も田代さんであることがわかったという。
そして身体検査を受けた結果、ズボンと下着の間に入れていた袋からコカインが発見された。同乗していた女性からも覚せい剤が見つかり、2人とも麻薬取締法違反容疑で逮捕されたのだった。報道では、コカインが見つかった時、田代さんは自分が使用するために持っていたことを認め、女性は自分が渡したと言ったという。女性が田代さんをかばったかのように思えるシチュエーションなのだが、実際はそうでなく、女性は田代さんに頼まれて入手し、自分が渡したと述べたということのようだ。
2人は最初、神奈川県警水上署にて逮捕され、女性はそのままそこに留置されたが、田代さんはそこから神奈川県警本部の留置場に移送された。マスコミで一斉に報道された田代さんの憔悴しきった映像は、この時に撮影されたものだ。
田代さんのこの激やせ映像には驚いた人も多いだろう。激やせ自体は、本誌でも報じた5月の胆のう摘出手術によるものだ。手術後、しばらく油分は控えるように言われたこともあって、田代さんはあまり食事をとらなくなった。
ただ、この1〜2カ月、さらにように見え、薬物の影響も否定はできないという人もいる。私も7月29日、『帰ってこいマーシー』発売記念会見で会った時に「またやせました?」と訊いた。本人は「そんなことはないよ」と否定していたが。
公開された逮捕後の写真は激やせに加えて本人の憔悴しきった表情が強い印象を与えたのだと思う。妹さんもテレビでその映像を見て「昨日までの兄と別人のようだ」と述べていた。田代さんの精神的ショックがあの表情に表れていたのだろう。
『フライデー』10月8日号では、髪の薄いのもコカインの幻覚症状によって田代さんが「頭髪を掻きむしっていた」せいだという精神科医のコメントを載せていた。でも、これは幾らなんでも考えすぎではないかと思う。
(続く)
最終更新:10月15日(金)19時38分