【社説】100年ぶり住所革命、成否のカギは企業の協力

 これまで地番で表示されてきた住所だが、2012年からは道路名や建物番号を使った「道路名住所」に変更される。行政安全部は今月27日から里長・通長(里・通という行政区分の首長)に住民宅を訪問、新住所について説明させ、住民の意見をまとめた後、不備な点を補完した上で、来年7月までに確定告示する予定だ。

 新住所は、幅が40メートルを超える「大路」、12-40メートルの「路」、それ未満の「道」に分けて道路名を決め、道路の始発点から20メートル間隔で左側は奇数、右側は偶数という方式により建物番号を付けている。

 これまで使用されてきた住所表示方式は、1918年の日本による植民地支配時代に、税金をかけ、土地を管理するため、筆(登記簿上の土地区画)ごとに個別の番号を付けた後、地籍公簿に登載した地番に由来している。しかし、法で定められている「洞」と、慣例上で使われ、行政的にも通用する「洞」の名称が違っていたり、土地分割・合併などにより一つの建物なのに地番が違っていたりするケースも多かった。

 道路名住所が定着すれば、物品・商品の配達・運搬が速やかになるのはもちろん、警察・消防など救急救助機関の出動時間も短縮される。経済協力開発機構(OECD)加盟国のほとんどは道路名住所を使用している。

 なじみのある住所を捨て、新住所を受け入れるのは容易ではない。新住所のシステムを早期に定着させるには、政府・官公署はもちろん、顧客の住所を扱う銀行・通信販売会社・宅配会社といった大手企業各社の前向きな取り込みが不可欠だ。従来の顧客データベースを新住所に変更したり、申込書の様式を新住所に変えたりして積極的に広報する企業には、必要なプログラムの提供、必要経費の一部補助といった支援策を準備すべきだ。

 地方自治体ではこれまで、道路名住所制の導入に伴い、各所に新しい道路名表示板や建物番号表示板約320万枚を設置してきた。ところが、これを統一形式であらためて付け換えるのに約750億ウォン(約54億4000万円)をつぎ込むなど、無駄になった経費は少なくない。こうした失敗が再び繰り返されないようにしなければならない。

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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